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~これが現実~ 社会人一年目の私へ

惰性で体を起こして 薄くてまずいコーヒーを飲む
いつもの時間に いつもの場所へ向かう
愚痴をこぼしていたことも忘れて 無心で作業に営む
たくさんの疑問符はもうすでに消化された
酒とスポーツニュースで一日をしめ 休日に軽く汗を流す
この繰り返しを35年 あなたは耐えられますか
一度脱輪した車はもう前を走らない
乗せる客がいなくなった車は ガソリンが切れるのを待つだけ
こいつに比べればと思って今日もひたすら国道を走る
無償の愛を注いだ子供は一人で育ったかのように偉そうな顔をして出ていき
空っぽの一戸建てに 中年が二人
いや 行き場のなくしたやっかい婆さんが入ってきた

あの日の自分は 想像つかないくらいまぶしい光を放った
誰にもできない様な事をやるって誓ったんだっけ?
理想の自分はとうに離れていった とっくに追いかけるのをやめた
人の心はもう忘れた 今は無心で自分の仕事をこなすだけさ
人の役には立っているだろうけど、主観的に見れば自分は偽善者だ
人生って人のために働かなくちゃいけないけれど
たまには自分が喜ぶような事もしてあげなきゃな
どんな天使もどんな悪魔もどうせ灰になって終わるだけだもんな
僕の幸せを感じとる器官はずいぶん前に退化したようだ
その代わり 自分の不幸には敏感になった
そのうち 他人の不幸にも敏感にもなって
それを酒の肴にするのだけはやめたい
無垢な君を相手に大人げない発言はもうやめておこう
最後にこれだけは言わせてほしい
なんやかんやで楽しいで

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