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#5『エロイムエッサイム』で初めてのお父さんとの時間、召喚ッ!もうこの世にいない父と最初で最後の思い出。お父さん、私を生んでくれてありがとう。(貧困幼少期からNPO代表理事までを100日で振り返る)

今回は最初で最後のオヤジの対面の話を・・。。

エロイムエッサイムを唱えてオヤジ召喚

施設では元旦那との関係について赤裸々に語られており、母が父と同じ空気を吸うのも嫌になってしまったらしいことは、親同士の会話でわかっていました。ただ、お父さんからプレゼントを貰えたり、定期的に会っているという施設の子供たちが羨ましかった。

私にとっては”お父さん”という言葉は「滅びの言葉」なのです。

テレビでは悪魔くんが人気で、母子家庭支援施設でも悪魔くんごっこが大人気。だからこそ私は悪魔くんへの憬れ・・悪魔くんになりたいと思いが募り、「悪魔くんのソロモンの笛」が欲しくてたまりませんでした。
複数の子供が持っていて、鳴らすのです。風呂敷さえがあれば悪魔くんになれるので、みんなで悪魔くんごっこをしていました。

「悪魔くん」と呼ばれる少年が悪魔の力を借りて、世界を平和へと導くために戦う物語。社会に対する義憤の感情から生まれた水木の代表作の一つ

Wikipedia悪魔くんより
ソロモンの笛:悪魔を従わせる力をもつ笛

母には『買えない』ということを再三言われていたのですが、私は・・・しつこかった。

寝ても覚めても「ソロモンの笛!!エロイム エッサイム~♪」と呟き、指で▽と△を作っていました。

違う意味で、悪魔が来そうである(笑)

『あくまくんの笛、欲しいのはよくわかる。やせけど、買うことはできひんよ』

(なんで、なんで、他の家では買えるのに、うちは、買って貰えへんのや・・・)

・・・・・・・何日もこのやりとりを繰り返す攻防が続きました。

母はしびれを切らしたのか、『お母さんは、何度も言うけど、ソロモンの笛を買ってあげることはできない。せやけど、あんたは、お父さんにあえるか?お父さんにだめかもしれないけど、お願いしてみるか?』

「えっ!?そんなんできるの!?(やった―ソロモンの笛!!!)
 うん!してみるっ!!」

(まだ買って貰えるとは決まってないが、私の中では決まっていた(笑))

生まれて始めて、父と母と三人、合流はジャスコのおもちゃ売り場。

初オヤジという知らないおじさんに会うことの緊張も、エロイメッサイム~♪と浮かれていると忘れていた。
(自分が欲しかったものが手に入る!!!)この気持ちだけでした

悪魔を従わせる笛は受注が多すぎた・・・

開店と同時にソロモンの笛を確保するつもりが、完売していました。

がーーーーーーーん

こうなってくると、もう知らないおじさんに会う理由はない。時間になりおもちゃ売り場に父が現れ、母と話たあと、「どれがほしいんや?」(母が事前に説明してくれていたのである)と話しかけてきました。

しかし私はソロモンの笛がない事を言えませんでしたし、もう何かが抜けていました。

施設の先生以外の大人の男性は親戚のおじさんぐらいで、「こんにちは」とかしか話さないから怖いのです。

そして、初おやじは猛烈に照れくさいのです。

(この人、お父さんなんや。<モジモジ>
でも初めてやし・・わからない。お父さんって呼んでいいのかすらも分からない・・<モジモジ>
しかも、もうソロモンの笛がないねんよなぁ・・。<モジモジ>
あぁこの人ソロモンの笛どっかからみつけてきてほしいっていったらしてくれたりしないのだろうか・・<モジモジ>)

初恋相手への言葉にならないような、照れが全身を支配していました

『この子が欲しかったものは、ソロモンの笛っていう物らしいんやけど、聞いたらもう完売しているみたいやわ。』
「そうか。」
『せっかくやし、この子のためになんか買ってあげてや。父親らしいことしてへんねんから』
「わかっとるわ。(私に向かって)何が欲しい?」

結果、初オヤジは、玉あり自転車<補助輪付き自転車をいう>(ソロモンの笛より何倍もした(笑))を買ってくれた。父親の顔も・姿も・服装も声も何も覚えていない。
ただ自転車を買う時、お父さんは、

「子供の自転車って、こんなに高いんけ!?」と母にいっていました(笑)
(子供は覚えている。些細な会話でも、照れてはなせなかったことをさしおいても、しっかり記憶の細胞に)

ちなみにこの自転車はそう長く使えなかった・・・
理由はこちら・・

(参考)離婚後の子供との関係

別れた父親との関係は多岐にわたり、色々でした。
・定期的に会う母子・会いたいといわれて断っている母子・贈り物や欲しいものが届く子供・養育費を受け取る母子

養育費問題

調べてみると約半数以上が取り決めをしていないようです。

養育費の取り決め状況等/厚生労働省
養育費の取り決めをしていない理由

私の母は父のことがとにかく無理ということから、養育費を貰うよりも、二度と会いたくないのが優先したとのことでした。

ただ、亡くなったときにぽつり。
「父親らしいことを何もしない人やったなぁ。私は関わりたくなかったから養育費とかいらんといったけど、子供と父親の関係は、私の関係とは違うわけで、自分の子やと思っているならこっちが断ろうとも何かしてあげようってならんのかなぁ。男と女では違うんかなぁ。」と。

養育費を払う人は少数派。それは、女性側が諦めていることも多いのですが、子供は1人では生まれないわけです。
養育費のデータによると4万台の用ですが、お金はないよりあった方がいいです。少額でも人生を変えることがある。

養育費を現在も受けている又は受けたことがある世帯の養育費(1世帯平均)の状況

養育費は不要?

施設を出た後500円しかないとかいろいろな波が来ました。
養育費、少額なら意味ないいう人もいましたが、少額でも使えるお金があるのか、ないのかで変わります。

元嫁との関係は紙切れで終わっても、子供との関係は永遠です。
娘目線で言うと、「頼む、貰ってくれ!!!」これにつきます。

明石市ではこどもの養育費立替支援事業や養育費差押えサポートなんてのがあって、こういう取組みって大切だなって思っています。
(取り決めしたのに払ってくれないという人は明石市に住んでみるとかもいいかもしれません。精神的な負担を減らしてくれます)

悪魔くんのオープニング曲を鳴らし、エロイムエッサイムを連呼しながら書いていますが、世界平和のために悪魔を呼び出すという内容に驚きしました。一件矛盾をも感じるという設定がたまらないですね。

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ささいなことで人生は変わると信じています。
それは、人生の大きな決断の手前にあるキッカケになるのではないかと。節目を思い出すと決断の前には、ささいなキッカケがあったからです。見て下さったあなたの何かのキッカケになればと思って綴っています。
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