☆自己紹介☆ アンジェルマン症候群の娘と心豊かに生きる 『笑顔』と『優しさ』できっと社会は変わる
はじめまして、なつままと申します。
医療職と福祉職を転々とした経験を持つアラフィフのフリーランス看護師です。今もお声をかけていただいた施設やクリニックでナースとして働きつつ、これまたお声をかけていただいたところで講演(学校の授業)などをさせていただきつつ、私自身と子ども達が育った小さな街の中でコミュニティカフェ兼無料健康相談所《暮らしの保健室カフェ【Bright Sun】》を週1回程度Openしています。
そして、重度重複障害であるアンジェルマン症候群という珍しい疾患で生まれてきた23歳の娘と、超マイペースで個性的な癒し系26歳の息子の母でもあります。
障害者との生活ってとってもマイナーな世界です。突然マイノリティの生活をすることになった私がしてきた体験、今思うこと、未来に繋げたいことなどをほわっと書き綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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娘、なっちは、アンジェルマン症候群という疾患でこの世に生を受けました。
アンジェルマン症候群とは、『笑顔』が特徴的な、稀少染色体起因障害です。
生まれつきの15番染色体の一部欠失(もしくは不活)により引き起こされる様々な疾患・障害です。1.5万人くらいに一人生まれてくるといわれています。彼女の場合は突然変異なので誰にも予測できないし、内臓の異常や外表奇形もないので生まれてきても発達の遅れや痙攣発作などの大きな症状が発現し始めるまでこの疾患だと気づくことも難しかったです。とても珍しい疾患なんです。身体的に命に直結するような大きな障害は持たないことが多いですが、重度な知的障害があります。意味のある言葉はほとんど話せません。
ごくごく平凡で、障害福祉のことなどは机上でお勉強しただけのごく一般的な私たち家族は、彼女を授かって突然マイノリティの生活に飛び込んでしまいました。
民主主義社会というのは、基本的に多数派に便利なようにできています。多数派(マジョリティ)が困らないように社会のサービスも行政も福祉も考えられているのです。公務員も議員も民間の事業主も、出来るだけ多くの人の幸せにつながるように考えているし、その方が経済もうまく回るし、問題が発生した時も、それを必要としている人の数が多ければ多いほど問題の解決を急ぐわけです。
ですから、少数派(マイノリティ)はその大枠から基本的にはみ出します( ̄▽ ̄;)
障害児者とひとことに言っても、メジャーな疾患じゃないとなかなか理解さえしにくいものです。走り回れるのに最重度の認定をもらう障害者がいることなどは、なかなか理解してはいただけません。
昨今、発達障害への理解が少しずつ進んできてそれはとても好ましいことなのですが、発達障害の方々への支援と娘への支援は随分違うので、娘のことをきちんと知っていただかないと支援者の皆様は最初かなりつまずかれます。知らなければうまくいかない、という当たり前の事なのですが、そこそこ支援の経験年数があるなど福祉や障害者支援に明るいと経験に頼ろうとして必ず失敗されてしまいます。
未就学の頃には未就学障害児を育てる上での問題点、就学したら就学したで特別支援学校での様々な事柄にぶち当たりました。
今から20年前〜10年前頃の障害福祉って、「今ならば人権侵害で世論が黙ってないよね」というようなことを、お役人も福祉関係者さえも悪いという自覚すらない様子で平気で発言されました。
当時私は病院に勤めるナースだったので、子供を育てながらも可能であれば仕事を続けたいと思っていたのですが、小学生の時、地域の学童保育には特別支援学校に通う子は入れてもらえませんでした。
障害を持っている子の母が働きたいと言ったら役所の障害福祉課(今は障がい者支援課と部署名は変わっています)の職員に『何でこんな子を産んだのに働きたいと思うの?』と問われたり、『お兄ちゃんとお留守できないの?』と言われたり。(我が家の長男、妹の世話は誰より上手ですけど、当時小学5年生の彼にその全責任を負わせるのは酷ですよ!)その都度腹も立てましたし、行政や施設担当者と交渉したり、社会システムに勇気を出して異を唱えたり、議員さんにお願いして他所の自治体と比べていただいたりしてきました。
つまりマイノリティとして、一般的な人であれば問題にならないようなことを交渉したり発言したりする人生が始まったのです。
ここ15年くらい、高齢者がどんどん増えて社会が高齢化に対応してきていることは、特に意識など高く持たなくても誰でも知っていると思います。高齢者福祉や認知症対策、介護保険や医療保険、年金システムの充実や見直しなどは、明日は我が身で皆さんが真剣に向き合う問題です。
少子化問題、児童福祉も然り。待機児童の問題や教育問題、虐待など、少子化ゆえの育児の問題は、その当事者だけでなく社会で考えなくてはならないと皆さん知っています。
こどもの問題は現在の若い世代だけじゃなく高齢者にとっても自分が通ってきた道でしょうし、高齢者問題は若い人にとってもそのうち誰もが自分の家族のことでお世話になる話だし、いずれ自分も行く道でイメージしやすいのだと思います。
ですが、障害福祉の問題は、私自身がそうであったように、
・世の中の多くの人が一生必要としない福祉
・必要とする人が圧倒的に少ない福祉
つまり、対岸の火事であり、多くの人にとって『他人事』なのです。
しかし、みんなが忘れていることがあります。
明日急に子育てすることになったり高齢者になったりはしないけれど、明日急に病気や事故で障害者やその家族にはなるのだということ。
障害福祉って、いつそうなっても【保険】のようにそこに用意されていないと困る福祉だと、少し考えればわかるはずなのに、みんな自分には一生関係ないと思っちゃうんですよね。
障害者には、今でも、健常な人が当たり前に選択できる権利が用意されていなかったり、我慢して当たり前だと思われたりしています。
ですが、それは、本当に日本の社会が優しくないからでしょうか?
私は、日本という国はそんなに心の貧しい国ではないと思っています。
私、障害者の母になって20数年ですが、辛かったことよりもむしろ温かさに感謝した経験がとても多いのです。困っている時に勇気を持って声をかけてくれる人、助けようとしてくれる人、SNSで困ったことを取り上げて発信すれば私以上に真剣に考えたり腹を立てたりしてくれる人。
思いやり深く優しい人がとても多いのです。
それに、我が国では、お財布などを落としたりなくしたりしたら高い確率で出てきます。電車内や飛行機内の体調不良の方への支援も迅速で暖かいです。そして、そのほとんどの人が見返りなど気にせず名前も告げずに去っていく。
ひとたび災害が起これば、ボランティアさんが日本中からたくさん駆けつけ、被災者自身も支援物資の列に整然と並び、暴動も略奪も起きない。
この国の持つ文化や国民性は、世界各国の方々からお褒めいただくことも多い素晴らしいものじゃないですか。
だからこそ、それぞれで助け合えばいいじゃない?!と福祉が発展しなかったのかも?と思わなくもありません。しかし、社会システムとしてそれはいただけないと思います。どんなに気持ちがあっても、正しく知らなければ正しく支えようもないからです。
障害者差別解消法などはできたけれど、【対岸の火事】の多数派の方々は何が差別なのか多分具体的にご存知ないことも多いはずです。
私自身、関係各所に提言したり、改善を求めたり、時には怒りもぶつけてきましたが、怒りでは共感を得ることはできないのだなぁ、とこの20年で痛感しました。
特に、怒りのエネルギーって大切なものを守り抜くためには時には必要ですが、所詮好ましくない感情を目にすることになるので皆さんのメンタル的にもよろしくないし、何より、本人以上に怒れる人がいるはずもないので、問題解決を目指した横への広がりを持たないのです。
そんなことをひたすら学習した20年。
では、次の20年に向けて、これから私に出来ることは何だろう?
思いやり深く優しい国民性の皆様に、日々のちょっとしたことから深く重たい話題まで、マイノリティの生活を出来るだけわかりやすくお話しして【知っていただく】【想像していただく】そして【どういうふうに手を差し伸べていただきたいか】をお伝えすることではないかと思い至りました。
なっちは、一度会っていただくとみなさんが『なっちゃんの笑顔最高!』と言ってくださるほどの笑顔良し。親バカ丸出しで大変申し訳ないですが、器量良しです。言葉を持たない彼女はその笑顔で支援者の皆さまとコミュニケーションを取り、可愛がっていただいています。
彼女の周りには優しくあたたかな風が吹き、人々は笑顔が多くなり柔らかな空気に包まれます。笑顔が連鎖していくのです。
それを見ていると、世の中を変える力があるとしたら、広がりを持たない怒りのエネルギーなどではなく笑顔や優しさや思いやりだけかもしれないと思うのです。
語彙力に甚だ自信はないけれども、私たちマイノリティの生活や抱く想いをひたすら心を込めて正直に紡いでいこうと思い立ちました。
これから少しずつ、このnoteを紡いでいきたいと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
地域の保健室をしながらフリーランスとしてお仕事している笑顔大好きなつままが、重度障害であるアンジェルマン症候群の愛し娘とのキラキラ豊かな生活と、医療や福祉について思うこと、日々の小さな感動などを綴っております。
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