どらごん(大西竜之介)@鍼灸師

鍼灸マッサージ師/柔道整復師【東洋医学・中医学】中医学の研修に通いながら鍼灸院経営中 …

どらごん(大西竜之介)@鍼灸師

鍼灸マッサージ師/柔道整復師【東洋医学・中医学】中医学の研修に通いながら鍼灸院経営中 https://www.ryushindo.net/

最近の記事

【ゼロから始める中医学】精の不足と陰陽の失調〜腎の病理〜

こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回は腎の生理についてみてきた。 今回はその続き、腎の病証についてみていこうと思う。 腎の病証には腎精不足、腎気虚(腎気不固、腎不納気)、腎陽虚、腎陰虚などがよくみられる。 また関連する腑の膀胱の病証には膀胱湿熱などがある。 それでは順番にみていこう! 1.腎精不足=精虚腎精が不足して、精の機能が減退する病証。 腎精不足は以前、精の回でみてきた精虚と同義である。 先天の精の不足、加齢、久病、房事過

    • 【ゼロから始める中医学】漏らさず貯える〜腎の生理〜

      こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 今回は五臓の最後、腎の生理についてみていきたい。 1.腎と精の密接な関係!腎の生理作用腎の生理作用は「蔵精」「主水」「納気」の3つ。 ①蔵精 精を貯蔵する機能を蔵精という。 腎は精を貯蔵し、精の生理作用や全身の生命活動の調節は腎の機能に含まれる。 飲食物から得られた精はまず五臓に分配され、余った分が腎に貯蔵されこの貯蔵された精を腎精という。 腎精は気血を生み出す基本的な物質であり、髄に化生して髄

      • 【ゼロから始める中医学】咳で見極めろ!〜肺の病証〜

        こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回は肺の生理作用についてみていきました。 今回は肺の病証についてみていきたいと思います! 肺の病証には肺気虚、肺陰虚、風寒犯肺、風熱犯肺、痰湿阻肺などがよくみられる。 また関連する腑の大腸の病証には大腸湿熱などがある。 ではさっそくいってみよう! 1.咳がコホコホ…肺気虚肺の機能が減退した病証。 宗気や衛気の不足、津液の輸布が失調した状態である。 慢性の咳嗽で肺気が損傷したり、脾気虚で肺を滋養で

        • 【ゼロから始める中医学】呼吸を主る〜肺の生理〜後編

          こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回は肺の生理作用と特性についてみてきた。 今回はその続き、関連季節と領域、対応する腑をみていきたい。 ではさっそくいってみよう! 1.澄んだ空気が美味しい!肺の関連季節・秋肺と関連が深い季節は秋である。 肺は吸気で清気を取り込むことによって気の化生に関与している。 これは清潔で適度に乾燥した環境で正常な機能を発揮しやすい。 秋は気候が乾燥していて清涼な季節。 そのため肺は秋の気候変化に影響されや

        【ゼロから始める中医学】精の不足と陰陽の失調〜腎の病理〜

          【ゼロから始める中医学】呼吸を主る〜肺の生理〜前編

          こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 肺の働きといえば呼吸だろう、そこは中医学でも変わらない。 では、そんな息を吸ったり吐いたりする肺の働きを中医学ではどういう作用として捉えているのだろう? さっそく見ていこう! 1.上へ外へ!下へ内へ!肺の生理作用肺の生理作用は①宣発・粛降と②主気である。 ①宣発・粛降 宣発とは気や津液を上へ外へ輸布する機能で、宣布(広く行きわたらせる)、発散(外へ発し散らす)を意味する。 呼気によって体内の濁

          【ゼロから始める中医学】呼吸を主る〜肺の生理〜前編

          【ゼロから始める中医学】食欲不振と湿の貯留〜脾の病証〜

          こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 今回は脾の病証についてみていきたいと思う。 前回の記事では脾胃はお互いに補完し協力し合っているという話をした。 病証においても脾胃の結びつきは強く多くの場合双方に影響が出てることが多い。 便宜上、脾と胃に分けてるが「どっちがメインか?」の違いだと私は思っている。 では早速みていこう! 1.食欲がない…脾気虚脾の機能が減退した病証である。 主に運化機能の失調を中心とした脾の気虚症状が現れる。 多くの

          【ゼロから始める中医学】食欲不振と湿の貯留〜脾の病証〜

          【ゼロから始める中医学】気血生成の源〜脾の生理〜

          こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 「脾臓」は古くなった血球を壊したりリンパ球を作る働きをしている。 では「脾」って何をしているのだろう? 今回はそんな「脾」についてみていきたいと思う。 順番にみていこう! 1.気血を生むかなめ!脾の生理作用脾の生理作用には①運化と②統血がある。 ①運化 運化はさらに2つの作用に分けることができる。 1)飲食物を水榖の精微に変化させる作用 運化は飲食物を消化吸収し、水榖の精微に変化させる過程であ

          【ゼロから始める中医学】気血生成の源〜脾の生理〜

          【ゼロから始める中医学】陽気と血のアンバランス〜心の病証〜

          ⭐初月無料🆓画像をタップしてお試しください! こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回の記事では心の生理についてみてきた。 心は血液循環の中心で陽気を主り、生命・精神活動とも深く関わっている。 心は陽気なリーダー!なんて話をしたのを覚えているだろうか?笑 今回はそんな心が病むとどうなるのか「心の病証」についてみていきたいと思う。 1.血が送り出せない!心気虚 心の機能が減退した病証である。 心気が虚損するため全身に血を送り出す

          【ゼロから始める中医学】陽気と血のアンバランス〜心の病証〜

          【ゼロから始める中医学】統括する臓腑〜心の生理〜

          ⭐初月無料🆓画像をタップしてお試しください! こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 さて西洋医学で「心臓」とえば循環器系の中心、 「心」といえば感情や気持ちなど精神活動をイメージすると思う。 では東洋医学・中医学でいう「心」とはいったい何を指すのだろう? 今回はそんな五臓の心についてみていきたい。 心を一枚の図にすると次のようになる。 順番にみていこう! 1.血と精神を主る!心の生理作用 心の生理作用には①主血と②神志がある。

          【ゼロから始める中医学】統括する臓腑〜心の生理〜

          【ゼロから始める中医学】気の滞りと血の不足〜肝の病証〜

          こんにちは! HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回は肝の生理についてみてきた。 覚えやすいように一枚の図にまとめてみたがどうだっただろうか? 合わせて生理作用が失調するとどういう症状が起こるのかもみていった。そうすると次に、 どんな症状があるときはどんな病証となるのか? が気になってくると思う。 ということで今回は肝の病証についてみていきたい! 1. 情志の変化!肝鬱気滞(肝気鬱結) 情志の変化などにより疏泄が失調して気鬱・気滞が起こる実

          【ゼロから始める中医学】気の滞りと血の不足〜肝の病証〜

          【ゼロから始める中医学】調節する臓腑〜肝〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 前回の記事で蔵象の全体像をみてきた。 今回からそれぞれの五臓を中心に細かくみていきたいと思う。 それではさっそく五臓の「肝」からみていこう。 五臓にはそれぞれ機能を表す生理作用と特徴を表す生理特性がある。 さらに関連領域と対になる腑などが存在する。 肝の場合は図にするとこんなイメージになる。 1.気血の調節!肝の生理作用 生理作用には①疏泄と②蔵血がある。 ①疏泄 疏泄の主な働きは次の4つがある。

          【ゼロから始める中医学】調節する臓腑〜肝〜

          【ゼロから始める中医学】外から中を想像する!?〜蔵象〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 今回から「蔵象」についてみていく。 いきなり蔵象と言われてもピンとこないかも知れない。 蔵象の「蔵」とは「かくす、おさめる」のことで人体においては内臓を意味する。 「象」は「かたち、ありさま、すがた」のことで体表の組織・器官に現れる様々な現象を意味する。 東洋医学では外に表現された人体の形象や現象が、五臓を中心とした体内の生理・病理を反映しているという考え方がある。 この両者の相関関係を体系化したもの

          【ゼロから始める中医学】外から中を想像する!?〜蔵象〜

          【ゼロから始める中医学】寒熱のバランス!〜人体における陰陽〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 東洋医学や中医学といえば陰陽五行説といっても間違いないだろう。 病態を考えるときや施術する時に陰陽五行説の概念を使っている。 陰陽五行説は陰陽学説と五行学説に分かれる。 今回は陰陽学説、特にその中で「人体における陰陽」についてみていきたい。 まず、もととなる陰陽学説について軽く触れておこう! 陰陽学説とは自然界にある対立した2つの事象の関係性を理論化したものである。(明るい暗いや上下、生物の雄雌の区別

          【ゼロから始める中医学】寒熱のバランス!〜人体における陰陽〜

          【ゼロから始める中医学】揺れ動く気機!〜 五志(七情)〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 神には生命活動の総称である広義の神と精神・意識・思惟活動を指す狭義の神がある。 神の機能は精神活動を表す五神と情動反応を表す五志にわけられる。 前回は五神についてみてきた、今回は五志についてみていきたい。 人にはどんな情動があるのか、それが身体にどんな影響を及ぼすのか確認していこう。 1.刺激に対する反応! 五志(七情) 五志は怒・喜・思・憂・恐の5つである。 更にそこに悲・驚を足した怒・喜・思・憂・

          【ゼロから始める中医学】揺れ動く気機!〜 五志(七情)〜

          【ゼロから始める中医学】イメージキャラで覚える!〜五神〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 今回から東洋医学・中医学における「神」について見ていこうと思う。 (神は“かみ“でなく“しん“と読むので間違えないように!) まず神は大きく分けて広義の神と狭義の神がある。 1.生きているという情報、広義の神広義では生命活動の総称である。 臓腑・生理物質・精神活動の機能が統合された情報として外に現れたものをいう。 この連載で話している人体の生理の全てのことを指している。 広義の神は生命活動の総称なの

          【ゼロから始める中医学】イメージキャラで覚える!〜五神〜

          【ゼロから始める中医学】依存し制約する!〜生理物質の相互関係〜

          こんにちは、HAMTマガジン中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉 これまで生理物質の個別の作用について見てきた。 しかし、東洋医学の学問的な基礎は自然哲学である。 これは調和や平衡を重視する傾向がある。 つまり、全体として大きくみていくイメージである。 そのため今回は生理物質それぞれの関係性、全体としての繋がりをみていきたいと思う。 まずは復習。 生理物質には次の4つがある。 【精】 成長・発育・生殖などに関係する 【気】 物質を動かし温め変化させる 漏らさないよ

          【ゼロから始める中医学】依存し制約する!〜生理物質の相互関係〜