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【ゼロから始める中医学】気血生成の源〜脾の生理〜

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こんにちは!
HAMTライブラリ中医学担当のどらごんこと大西竜之介です🐉

「脾臓」は古くなった血球を壊したりリンパ球を作る働きをしている。
では「脾」って何をしているのだろう?
今回はそんな「脾」についてみていきたいと思う。
順番にみていこう!

1.気血を生むかなめ!脾の生理作用

脾の生理作用には①運化②統血がある。

①運化

運化はさらに2つの作用に分けることができる。

1)飲食物を水榖の精微に変化させる作用
運化は飲食物を消化吸収し、水榖の精微に変化させる過程であり、胃と小腸が関わっている。
変化した水榖の精微はさらに肺や心に送られ気や血となって全身をめぐる。
そのため脾は気血生成の源とも言われている。
また水液の吸収も行い水液の停滞を防ぐ役割もある。
脾は食べ物の消化吸収を担当している大元といったイメージである。

運化が失調すると消化吸収が阻害されて食欲不振になる。
すると水榖の精微が減り、気や血も不足してくる。
また、飲食物中の水液をうまく吸収できないとそのまま小腸や大腸に流れ軟便下痢になる。
逆に体内に停滞すると痰湿となる。
そのため脾は生痰の源とも言われている。
脾はいろんなものの源なのである。

2)水榖の精微を肺や心に運ぶ作用
運化には水榖の精微を肺や心に運ぶ機能もある。
これは脾の生理特性である昇清の現れで、肺や心に送られた水榖の精微は気・血・津液・精となって全身をめぐり生命活動を維持している。
特に肺は気を、心は血を全身にめぐらす機能がある。

肺や心にうまく運ぶことができないと気が不足し息切れ倦怠感が、血が不足し眩暈不眠などが起こってくる。

② 統血

統血は気の固摂作用によって血が脈中から漏れ出すのを防ぐ作用である。
全身の気の量は気血生成の源である脾の機能によって左右されるため、気の固摂作用の現れである統血は脾が担当してる。

脾の機能が失調すると気の固摂作用が低下し脈中から血が漏れやすくなり、血便血尿崩漏皮下出血が起こってくる。

2.必要なものは上へ!脾の生理特性

脾の生理特性は①昇清②喜燥悪湿がある。

①昇清

脾は上へ向かう気機を特徴とし生理物質などを上昇させる特性がある。
運化作用で水榖の精微を肺や心に運んでいたのもこの特性の現れである。
昇清が正しく機能することで生理物質を組織・器官へ供給することが可能になる。

昇清が機能しないと脾で生理物質を作っても上へ運ぶことが出来ず、上部の症状(眩暈や頭痛など)が起こってくる。
この場合の症状は生理物質が不足して起こるので虚証である。

また昇清はその上へ向かう気機によって組織・器官を正常な位置に保っている。
脾の機能が失調し昇清に影響すると保っておけない、つまり下に落ちる様な症状(内臓下垂や慢性の下痢など)が起こってくる。

② 喜燥悪湿

脾は乾燥を好んで水液を嫌う性質がある。
脾が正常に機能するためには一定の陽気が必要である、しかし脾は水液をさばく場所であるため常に水液が旺盛になりやすい。

水液が過剰になると陽気がふさがれ軟便下痢などが起こりやすい。
つまり脾は冷飲や多飲、雨や多湿環境が苦手なのである。
脾の機能を回復させたい時は先に過剰な水液をさばいておくのがポイントになる!

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