ドラゴン鎌倉

1987年生まれ。東京在住。将棋アマ有段。 現在は指す将2割/観る将8割くらい。 人に…

ドラゴン鎌倉

1987年生まれ。東京在住。将棋アマ有段。 現在は指す将2割/観る将8割くらい。 人に恵まれ、多くの強豪(と一部プロの方)と話す機会がありました。 大人になってからは、級位者の方と指す機会もたくさんありました。 将棋上達法が整理されていないと思ったので、note始めました。

マガジン

  • プロの実戦を3図で解説

    自分が感動した一着や、身に付けたいと思った指し回しを言語化。 「シンプル」をモットーに、初心者の方も気軽に読める記事を目指して。

最近の記事

29手の投了図を徹底的に掘り下げて横歩取りの感覚を学ぶ

※徹底的に掘り下げたので長いですが、手順・解説は難しくないです 将棋の平均手数は110手程度と言われているが、12/3に行われたC1順位戦で、「29手で投了」という事件(?)が起こった。 その投了図がこちら。 【▲及川拓馬六段-△高橋道雄九段 投了図は▲6五桂まで】 当然だがまだ序盤である。 初段以上で横歩取りをよく指す人ならひと目なのだと思うが、自分は横歩取りをまったく指さないので、正直、なぜこの局面で投了したのか、すぐには意味がわからなかった。 (後手が悪そう

    • 西山朋佳 里見香奈戦 才気煥発の逆転術 2019.4.9(マイナビ女子オープン第1局)

      今、個人的に一番アツいと思うのが、このカードだ。 今年はこの2人の直接対決がとても多かったが、その中からマイナビ女子オープンの開幕局を見てみたいと思う。 【▲西山朋佳女王-△里見香奈女流四冠 △8四歩まで】 本局は里見香奈女流四冠が振り飛車を選択したため、相振り飛車に。 後手は中央に好形を築き上げ、不満のない形だ。 一方先手は、攻めを手厚くしたいところだが、▲7七桂は△7五歩から狙われてまずく、飛車角だけで攻めの糸口を見い出さなければいけない。 また、先手は攻め受

      • 30過ぎてから将棋を始めた友人と、飲み屋の常連たち

        「藤井聡太ブーム」が世間を賑わせ始めたころ、いつも飲みに行くお店で飲んでいると、友人が将棋をしたいと言ってきた。 元々ボードゲーム全般が好きなやつだが、将棋を指すのは小学校以来で、棋力は完全に初心者。 一応強くなる気はあるらしい。 それ以来、会ったら酒を飲みつつ将棋を指す日々が始まった。 ちなみに、友人は店員として仕事中である。 1.真剣勝負と「待った」そのお店にはマグネットの将棋セットがあったので、さっそく指そっかと言って並べ始める。 飲みながらとはいえ、やるか

        • サッカーの解説動画を参考に将棋の解説記事を書いた話

          「飯でも食べながら気楽に読める実戦解説があったらいいな」という思いから始めてみたのがこの記事。 同じフォーマットで2記事書いてみたので、現時点での「プロの実戦を3図で解説」をやってみての感想と困っていることをまとめておきます。 1.参考にしたもの 参考にしたのが、これ。 なぜかサッカーの解説動画を参考に、将棋の解説記事を書き始めました。 自分はサッカー詳しくないですし、さほど試合も見ないです。(野球派です) そんな自分でも、この人の動画を見ると今まで気付けなかったこ

        29手の投了図を徹底的に掘り下げて横歩取りの感覚を学ぶ

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        • プロの実戦を3図で解説
          3本

        記事

          折田翔吾 黒田尭之戦 自由自在 2019.11.25(棋士編入試験第1局)

          ついに始まった注目の棋士編入試験。 第1局の対黒田尭之四段戦を見てみたいと思う。 【▲黒田尭之四段-△折田翔吾アマ ▲6五歩まで】 先手が初手▲1六歩から早めに端歩を突き越す四間飛車に構えると、後手の折田翔吾アマはミレニアム風の立ち上がり。 最近、四間飛車に対し端歩を突き返す居飛車穴熊がプロの実戦で数局指されている。 先手の趣向はそれを意識したものだろうか。 対して、折田アマは穴熊ではなくこの形を選択したので、用意の作戦だったのかもしれない。 この局面、すぐに見

          折田翔吾 黒田尭之戦 自由自在 2019.11.25(棋士編入試験第1局)

          面白い将棋上達法 山口絵美菜女流1級が提唱する「チャンク式」

          このnoteでは将棋上達法について自分なりに書くと宣言しましたが、まずは山口絵美菜女流1級が紹介している「チャンク式」という上達法が面白いので、今日はまずはその話を。 1.「チャンク式」とは「チャンク式」とはずばり○○だ! と一言で表現するのは難しいのですが、山口女流のコラムの表現を借りると、 よくある駒の配置を記憶する練習をする→認識・記憶できる駒の数が増える→定跡や囲いを覚えるのが楽になる→知識を増やしやすくなる→強くなる という理論のようです。 最初の「よくあ

          面白い将棋上達法 山口絵美菜女流1級が提唱する「チャンク式」

          広瀬章人 羽生善治戦 妖刀一閃 2018.11.01-02(竜王戦第3局)

          一応、「棋力上達系」の記事をメインにするつもりだが、プロの将棋で感動した指し回しを紹介するコーナーもやってみたかたことの一つ。 今日は、広瀬章人現竜王の昨年の竜王戦から、終盤の切れ味が印象的な一局を見てみたいと思う。 【▲羽生善治竜王-△広瀬章人八段 ▲6四歩まで】 中盤。後手が先攻したが、例えば△6五桂は▲同銀△同銀▲6三歩成△同金に▲7二角の反撃がある。 先手は桂損が確定しているが、後手は歩切れなので、2筋を伸ばしていく分かりやすい攻めがある。 どうまとめるか難

          広瀬章人 羽生善治戦 妖刀一閃 2018.11.01-02(竜王戦第3局)

          自分の将棋と、このnoteの予定

          最初の記事でやっておくべき、自己紹介を忘れていました。 ただの将棋ファンですが、将棋を教える機会もあったので、そういった話や、今後noteで書こうと思っていることを、極力シンプルに。 1.将棋を始めたきっかけ父親の影響で始めました。 小学1年の時点でそこそこ指せていた記憶があります。 父親の棋力が5級程度だったので、5年生まで5級です。 5年生で将棋教室の存在を知り、一気に棋力向上。 3級くらいから初段は一瞬だった記憶があります。 2.初段~現在(ほぼ観る将)高

          自分の将棋と、このnoteの予定

          多分、将棋上達系noteは流行らない

          この記事の結論:将棋は思ったほど流行っていない はじめまして。ドラゴン鎌倉と申します。 これから将棋の上達法を中心に発信していく予定です。 よろしくお願いします。 本題に入る前に、そもそも需要ってあるのかな、という話をします。 1.ニューヒーロー誕生の影響昨今、藤井聡太クンの活躍もあり、世の中の将棋熱が上がっているように感じます。 実際、10年前は「趣味は将棋です」と言うと、会話が途切れて気まずい思いをすることも多々ありました。 最近はかなり好意的に受け止めても

          多分、将棋上達系noteは流行らない