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面白い将棋上達法 山口絵美菜女流1級が提唱する「チャンク式」
このnoteでは将棋上達法について自分なりに書くと宣言しましたが、まずは山口絵美菜女流1級が紹介している「チャンク式」という上達法が面白いので、今日はまずはその話を。
1.「チャンク式」とは
「チャンク式」とはずばり○○だ!
と一言で表現するのは難しいのですが、山口女流のコラムの表現を借りると、
よくある駒の配置を記憶する練習をする→認識・記憶できる駒の数が増える→定跡や囲いを覚えるのが楽になる→知識を増やしやすくなる→強くなる
という理論のようです。
最初の「よくある駒の配置」というのが「チャンク(塊)」です。
プロ棋士が局面をすぐ記憶できるのは、この「チャンク」のおかげ。4~5個の駒の塊をまとめてみているので、盤をくまなく見なくても、正しく認識することができます
言われてみればなるほどな話で、確かに自分も無意識でやっていますね。
自分が指した将棋の終盤を振り返りたいときに、終盤の盤面が正確に思い出せず仕掛けの局面から並べ直すことがあったりします。
「チャンク式」の観点で言うと、終盤は囲いや攻めの形が崩れていて、「よくある駒の配置」があまり残っていないので、覚えづらいということですね。
そして自分の「チャンク」をより大きくする(塊として把握できる駒の数を増やす)ことができれば、将棋の知識の取り込みに大きな効果があるよ!
→強くなるよ!
というのが「チャンク式」で棋力向上する仕組みというわけです。
山口女流が過去に全8回で「チャンク式」の勉強法を連載しているので、興味のある方はぜひ。
初心者~級位者向けの内容ですが、最終回は有段者が見てもためになる内容だと思います。
2.「チャンク式」のメリット・デメリット
自分の持論ですが、将棋の上達法にはどれもメリットとデメリットの両面があると思っています。
例えば、「棋力向上には詰将棋が効果的」とは言いますが、詰将棋ばっかりやっていると序盤中盤で勝てなくなったり…。
効率よく強くなるためには、メリット・デメリットを意識して、自分に足りないところを楽に補いたいですね。
あくまでも個人的な感想ですが、「チャンク式」のメリット・デメリットをまとめておきます。
3.「チャンク式」のメリット
①確実に強くなれる(科学的根拠あり)
「チャンク」に含まれる駒の数と棋力は比例すると「将棋の認知科学研究」で明らかになっており、山口女流の連載でも研究論文からの引用として紹介されています。
例えば序盤の盤面をすぐに記憶できないという方は、「チャンク」を鍛えることで確実に棋力向上が見込めますね。
②他の上達法の効率が良くなる
「チャンク」を鍛えると棋力向上するだけでなく、定跡や囲いが覚えやすくなるので、定跡本読んで覚えるのもラクになるはずです。
自分は同程度の棋力の方と比べて、かなり定跡の知識が欠落しています。
もっと早い時期に「チャンク」を鍛えておくべきでした…。
③自分の対局を後から並べられるようになる(多分)
最近、級位者とも将棋を遊びで指すようになりましたが、対局後に「じゃ、仕掛けの局面から感想戦を」となっても、正確に再現するのにはなかなか苦労しています。
自分は初段過ぎてからは自然と並ぶようになりましたし、周囲の将棋も無意識に覚えていたりしますね。
他の人の将棋は仕掛けの局面だけなど限定的ではありますが。
「チャンク式」の説明を見ている限り、これらも「チャンク」の恩恵みたいですね。
私は、自分の対局を振り返るのは棋力向上において重要なことだと考えています。
後から自分の対局を並べられないという方は、これを目標として「チャンク」を鍛えてみるのは個人的にアリだと思います。
4.「チャンク式」のデメリット
①鍛え方が確立されていない
上で紹介した山口女流のコラムでいくつかドリルは用意されています。
しかし詰将棋のようにいろんな問題が用意されていないので、ある程度自分でも工夫して勉強する必要があります。
今までにない切り口でかなり面白い勉強法だとは思うので、流行ってほしいんですけどね。
他には特にデメリットは見当たらないですが、取り組むハードルが高いというのは、現実的にはなかなか厳しい。
ただ、日頃の将棋の勉強で「チャンク」を意識することは可能なのかなと思います。
例えば、自分は振り飛車党ですが、普段指さない角換わりの将棋は見慣れない局面がほとんどです。
解説でそうした将棋を見たときに、盤面をすぐ覚えられるか試してみる。
覚えられないようなら、繰り返してみる。
こういう蓄積は意識しようとあらためて思いました。
5.「チャンク」に関連した余談
小学5年~中学いっぱいくらいまで通っていた将棋教室の先生に、初段になったころに言われた言葉をふと思い出しました。
「もう初段なんだから、振り飛車だけでなく居飛車も指せるようにした方がいいよ」
もっとストレートに、
「普通なら居飛車も指せるはずだけどねぇ」
くらいのことも言われていた気がします。
(今も居飛車は指すと序盤がめちゃくちゃです)
私の場合、指してきた戦型がかなり偏っているので、特定の戦型以外の「チャンク」は全然鍛えられていないと思います。
振り飛車に比べて、相居飛車の将棋はあまり形思い浮かべられないですし。
ですので、いろんな戦型を指すというのも、「チャンク」を鍛えるという意味では重要なのだと思います。
「別に居飛車指さなくていいじゃん! 楽しくないし」
と思っていましたが、効率よく強くなるためには、遠回りなようで必要なことだったのかなと、今になって思います。
他にも、短手数の詰将棋とかもまさに「チャンク」ですよね。多分。
「あ、この形はここから桂捨てて詰む形だ」
みたいなことが、問題見て一瞬で分かるのは、問題図を一つの塊として一瞬で認識できているからでしょうし。
もうしばらく、将棋のことをざっくばらんに書いてみて、考えがまとまってきたら上達法について、自分なりにまとめていこうと思います。
では。
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