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ドイツワインケナー試験の勉強法

2022年10月30日にドイツワインケナー試験を受験し、合格しました。
試験概要と勉強方法について記載したいと思います。

ドイツワインケナー試験とは


日本ドイツワイン協会連合会(germanwine.jp)が、広くドイツワイン・ドイツ文化の啓発を目的に創設した、ドイツワインに関する呼称資格制度です。

試験内容


年1回、毎年10月の最終日曜日に行われる事が多いようです。
筆記試験(50分間)とテイスティング試験(30分間)が同日に行われます。

筆記試験


100問強の3択問題と、1問だけドイツ語の単語を日本語訳で答えさせる問題があります。

テイスティング問題


赤・白ワイン、計5種類が用意されています。
それぞれの項目に関する3択問題(品種名、産地名、産地にちなんだ問題、ヴィンテージなど)があります。

受験申込


ドイツワイン協会の資格試験ページ(germanwine.jp)から申し込むことが可能です。申し込み開始は、6月頃から9月頃までの間です。
受験資格は20歳以上であれば、誰でも申し込むことが出来ます。
試験会場は東京と大阪が用意されています。
受験料は16000円です。合格時には認定料として別途17600円が必要です。

勉強するにあたって準備するもの


・「ドイツワインの魅力2022年度版」
・「過去問題集2022年度版」
・ドイツワインケナー・上級ケナー対策講座
・ドイツワイン専門Shop&Bar CASSIEL(カシエル)(Cassiel)さんのテイスティング用小瓶ベーシック<通販可>

「ドイツワインの魅力2022年度版」


受験申し込みをすると公式テキスト「ドイツワインの魅力2022年度版」が全員に送付されます。毎年データがわずかに異なるので、必ず最新版を手に入れましょう。

「過去問題集2022年度版」


希望者は「過去問題集2022年度版」を購入することも出来ます。これは、絶対に購入しましょう。
過去問も繰り返し出題されていますし、何より難易度や重要とされるポイントをつかむために必要です。

ドイツワインケナー・上級ケナー対策講座


「ドイツワインケナー・上級ケナー対策講座」も必ず申し込みましょう。日程が合わなくても、配布資料(事前にメールで送付)が大いに役立ちますので、資料を手に入れるためにも申し込んでおきましょう。
参加費用は東京会場11000円、オンライン4000円です。
遠方の方や、日程が合わない方は、オンラインで十分だと思います。

CASSIEL(カシエル)さんのテイスティング用小瓶ベーシック


カシエルさんで試験対策を視野に入れた小瓶セット(2022年は6種 4400円)を購入しましょう。2022年は第8弾まで発売されました。
小瓶セットの販売については、カシエルさんのインスタグラム(@cassiel.tokyo)で、発表されますので、フォローしておきましょう。また、ほぼ発売日の翌日位までには完売しますので、発売日には必ずアラートを設定しておきましょう。
なお、解説動画はYoutubeチャンネル(Cassiel TV )で視聴することが出来ます。小瓶を購入しなくても視聴できますし、ワインの特徴がイメージしやすい内容ですので、万が一購入しそびれてしまっても大丈夫です。

勉強方法

テキストはどれくらい読み込めばよいか


ドイツワインケナー試験を受験してみて、成績優秀者(ドイツ大使館に招待されて表彰される)を目指さないのであれば、テキストは隅から隅まで読まなくても合格できるだろうと感じました。テキストは文章で書かれているので、要点がわかりにくく、特に歴史の所などは頭に入りにくいと感じました。(Youtubeで「ドイツの歴史」と検索して、いくつか動画を観てイメージの助けにしました)
有用なのは、テキストの後ろの方にある、ドイツ語のワイン用語単語集です。こちらはから1問出題されると思いますので、目を通しておきましょう。

過去問題集と対策講座は重要


筆記試験で合格するのに必要なのは、ずばり過去問題集と対策講座のパワーポイントの資料です。過去問題集とパワーポイントを完璧に頭に入れるだけで、少なくとも2022年の筆記試験においては、85%の点数が取れたと思います。
過去問題集をやっていると何度も同じような問題が出てくることに気付くはずです。注意しておきたいのは、最新のデータに基づいて、過去の正答を修正しておく必要がある事です。(例:現在の首相、栽培面積の順位など)
その点、パワーポイントには、最新のデータを見やすくまとめて下さっているので、パワーポイントをみながら過去問題集を繰り返しやるだけで、合格は十分に狙えると思います。

時事問題対策が難しい


ドイツワインケナー試験の筆記試験には、ワインとは全く関係のない、ドイツに関連した問題も出題されます。ドイツの大統領、首相、駐日大使、ドイツワイン女王、ドイツワイン・インスティテュートの総裁などの名前は、覚えておくようにしました。
その他、ドイツゆかりの作曲家や作家などについて出題される事が多いですが、過去問題集でも同じ人物が繰り返し出題されたことはなく、こちらは「捨て問」にしました。

テイスティング対策


カシエルさんの小瓶セットを注文し、動画をみながら品種だけは間違えないように繰り返し特徴を捉える訓練をしました。私の場合は、他のワイン資格の勉強で、テイスティング能力の素地はあったので、2,3回でほぼ特徴を掴むことが出来ましたが、初めてワイン資格に取り組まれる場合には、自分が納得できるまで、何度も訓練される事をお勧めします。
産地の特定は、正直難しいと思います。品種が特定できたら、筆記試験用のパワーポイントで学んだその品種の栽培面積の多い産地を選ぶようにしました。
ヴィンテージの特定も難しいと思います。ちなみに2019年度の試験では2017,2018年ヴィンテージ、2021年度は2018年ヴィンテージ、2022年度は2020年ヴィンテージが中心で傾向はバラバラです。(2020年度は開催されず)

更に得点するために


成績優秀者になるためには、筆記で作曲家や文学者以外の問題は全て正解するくらいにしておくこと、テイスティングで少なくとも品種は全て正解するくらいが必要かと思います。
私の場合、筆記試験の得点率は9割程度の予想でしたが、テイスティングで1種類間違えてしまい、成績優秀者は逃してしまいました。
成績優秀者の得点率や、自分の順位、合格の基準点などは公表されていませんので、正確なことは判りません。
ただ、ドイツワインケナー試験の上位資格である上級ケナーを受験される予定の方は、今後ドイツ語で学んでいく必要がありますし、テイスティングも、国際品種が含まれてくるため、産地やヴィンテージなど、より正答する精度を上げていく必要があるでしょう。

さいごに


ドイツワインケナー試験は、非常によく整備された試験だと思います。
試験対策の方向性も定まっていますし、ドイツワインの知識を深めるためにも、非常におすすめできる資格です。
是非チャレンジしてみてください。

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