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その悩み、善玉菌で解決出来るかも

こんにちは😊
消化器専門医 Dr. Sです.
本日は腸内細菌と脳の関係について✏️

脳と腸には密接な相関がある

近年,腸内細菌を介した脳と腸の相関,
いわゆる『脳腸相関』
についての研究が進んでいます.

腸と脳には双方向の相関性があると言われており,
腸内細菌が脳機能や精神状態に及ぼす可能性について
研究者達の関心が寄せられています.

今日は,プロバイオティクスが気分や抑うつに与える影響に関する
ある研究をご紹介致します.

英国の試験ですが,ヤクルトの製品が使用されています😊

(Impact of consuming a milk drink containing a probiotic on mood and cognition. Benton D et al. European Journal of Clinical Nutrition 2007)

プロバイオティクスは抑うつを改善する

健常者132人を対象とし,
乳酸菌(Lactobacillus casei Shirota)入りの乳製品とプラセボ (偽薬)入りの乳製品を3週間投与し,
気分と認知機能について、投与開始10日目,20日目にそれぞれ評価しました.

すると,図に示しますように
試験開始時に気分が悪いと答えた人 (プロバイオティクスBottom)は,
プロバイオティクス投与により気分が有意に改善しました
対して,試験開始時に気分が普通,もしくは良いと答えた人 (Milldle/Top) は
プロバイオティクスの影響は受けませんでした.

次に,投与期間と抑うつ状態の改善について.

図に示しますように,
試験開始時に抑うつ状態であった被験者(Bottom third)は,
20日のプロバイオティクス投与により有意に抑うつ状態が改善しました。
しかし、同じ被験者に対して
10日間の投与では効果が見られませんでした。

まとめますと、
普段から抑うつ気味の人に対して
長期間プロバイオティクスを投与すると
気分が改善する
ことが示されました.

プロバイオティクスは継続が肝要

これは多数の報告のうちのひとつであり、
違った結果を示す報告もありますが
腸脳相関のエビデンスは日々強くなっています.

腸脳相関は一日にしてならず。

プロバイオティクスのみならず、
結果を得るには継続が肝要です❣️

本日は以上です。
ご一読頂き、ありがとうございました😊

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