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「読みたいことを、書けばいい。」で書くことを学ぶ

青年失業家を自称し,ライターとして活躍している元電通マンによる,文書でなく文章の書き方指南.面白かった.

文筆家として生計を立てるとまではいかなくても,物書きになりたい,自分の書いた文章を読んでもらいたいと望む人は多いのだろうか.まあ,私もこうしてnoteを書いているわけですが…

田中泰延,「読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術」,ダイヤモンド社,2019

田中泰延氏の何が凄いかと言えば,その徹底的に調べ上げる姿勢だ.本書にも「物書きは調べることが9割9分5厘6尾」だと書いてある.とにかく徹底している.

調べるといってもググるわけではない.それもするが,それだけで終わってはいけない.「一次資料に当たらなければ話にならない」と書いてある.

例として挙げられているのが,石田三成✖️滋賀県ポータルサイトに掲載されている「秒速で1億円稼ぐ武将 石田三成」というコラムだ.徹底的に調べあげていることがわかる.国会図書館に通ったという著者が挙げる参考文献も参考になる.

調べものをするなら図書館に行けという著者が,専門知識を備えた司書に相談することを強烈に勧めている.ところが最近,司書の数を減らしたり,派遣に切り替えたり,その専門性に敬意を払わず,図書館の価値をも貶める動きがある.それはダメだと思う.

本書「読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術」には,「履歴書の書き方」という濃密なコラムが収録されている.就活生はこのコラムを読むといいだろう.大いに参考になると思う.

文章を書くときに大切なことがちりばめられていて,オススメ.

© 2020 Manabu KANO.

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