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波瀾万丈な「物語 スコットランドの歴史」

イギリス(UK: The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)は,日本と同じ島国とは言え,民族が入り乱れての戦乱をずっと続けてきた国なので,随分と成り立ちが異なる.そのイギリスを構成する国々のひとつがスコットランドだ.本書はそのスコットランドの歴史,特にイングランドとの関係をコンパクトにまとめている.

物語 スコットランドの歴史 - イギリスのなかにある「誇り高き国
中村隆文,中央公論新社,2022

コンパクトにまとめているとは書いたが,人名を覚えるのが超苦手なので全然頭に入ってこない.王の名前も○○2世とか□□4世とか,しかも,同一人物がイングランドでは○○X世で,スコットランドでは○○Y世であったりするので,ますます訳がわからない.スコットランドの政治と宗教の歴史は,イングランドの歴史と切っても切り離せず,ずっと戦争や暗殺や同盟や裏切りの繰り返しで,愚かで複雑で,私の低容量メモリな脳には入りきらない.雰囲気を掴めただけでよしとしよう.

最初の2/3程度はスコットランドの政治と宗教の歴史について書かれている.残りは,スコットランドの文化や社会構造についてで,2022年発行の本だけに最新の話題まであって勉強になった.

ところで,ケルト文化圏では11月1日が元旦で,サウィンと呼ばれる新年祭が行われるそうだ.サウィンはハロウィンの原型であり,そこで火を焚き,明け方にその火を持ち帰って家の竈に灯すことで悪い妖精を追い払えるとされた.日本でいうオケラ詣りだな,これは.

あと,スコットランドの国民的詩人といえばロバート・バーンズで,本書でも紹介されているのだが,今の世なら不倫やなんだかんだで即刻社会的に葬られているような人物だ.そんな人物がおかしいのか,今の社会がおかしいのか.まあ,知らんけど.

なぜ本書「物語 スコットランドの歴史」を読んだかといえば,ウイスキー検定を受検するために,スコッチウイスキーのことはもちろん,その背景にあるスコットランドについても知っておこうと思ったからで,ウイスキーの勉強から思わぬところまで来たものだ.

© 2023 Manabu KANO.

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