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【意味がわかると怖い話・20】悪魔のハンバーガー

男はこの材料をどう料理してやろうかと考えていた。

そこで思いついたのがハンバーガーの間に棒切を突っ込んで最高の加減を探る方法であった。

上下にあるバンズの中に球体のパティがはさみ込まれる。
バンズとパティが決して触れぬよう間に挿し込んだ棒切をグイグイと動かして見る。

なかなかうまい具合にいっているぞと男は思った。

カチッ

少しの油断から棒切は外れ、上下のバンズが中のパティにしっかりとくっついた。

青い光がほとばしり男はこんがりと焼かれた。


【ネタバレ】
アメリカで実際にあった核兵器実験での事故のことである。
男は科学者であった。
中性子反射体と核分裂性物質を接近させて臨界状態が発生する距離の測定を行っていた。
中性子反射体の半球を上下にし、中に核分裂性物質を挟み込む。
それらを間に噛ませたマイナスドライバーを上下することにより距離測定を行うという危険な実験していた。

男は手を滑らせドライバーを外してしまった。
完全にくっついてしまった半球は即座に青い光を放った。
コアが臨界状態となり大量の中性子線が放出されたのだ。
男は放射線障害のため9日後に亡くなった。
この恐ろしいバーガーはデーモン・コアと呼ばれた。


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