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「社会的取り組み」【note】で社会貢献にチャレンジ #利他のエバンジェリスト

 共生とは何でしょうか。ここでは、端的に共に生きることとしましょう。共に生きるといっても、社会には残念ながらさまざまな分断があります。そして、既存の制度や学問体系は社会の分断を解消する助けにはならず、共に生きることを困難にしています。共生は理念であり、ビジョンです。共生のビジョンを掲げ、さまざまな方法論を導入し、社会の多種多様なアクターと協働実践する、それが共生の社会的取り組みです。理念観念のみでは社会は変わりません。言うまでもなく、実践、アクションが必要です。

 近年の社会調査やビッグデータなどの増加や科学技術の進歩の一方で、そのような知見や技術を社会貢献にいかす、社会実装することは容易ではありません。そこで、今日、人文社会系の知と理工系の技術の融合、さらには現場との協働による実践志向の共創が必要とされています。共生や共創という言葉は巷間に流布するようになりましたが、抽象的な議論が多いです。しかし、理念や観念のみでは共生社会の構築への営みも共創も生まれません。言うは易く行うは難し。

 共生、支えあい、社会貢献といったものは、さまざまな所に標語のように掲げられています。しかし、言葉だけを発信しても結局、人は変わりません。さまざまな共同作業を通して、人びとが互いの価値観の衝突を乗り越える経験をすることが大事です。仲良しグループの中だけで、予定調和的に顔色をうかがいながら表面的に仲良くしていたのでは、心の底から相手を尊敬し、相手の立場を思いやることはできません。そこからは本当の意味での共生、支えあいは生まれません。私は「価値観の衝突は心の栄養剤」と言っています。多様な人との出会い、交流が人を育てます。そして、さまざまな社会的課題の解決には、人と知のキュレーション、大学と企業や社団法人等多様なステークホルダーによる「共創」が必要です。あらゆる(オムニ)場(サイト)が、学びの場、共創の場となります。

 社会の課題に対して実践的な答えるために、大学にできることとは何か。大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センターでは「未来共生プログラム」、「大阪大学オムニサイト(OOS)協定」、「オープンプロジェクト」などの取り組みで、社学連携の推進を図ってきました。OOSは、支え合う社会、共生社会を創造していくための新たな共創の仕組みです。学内外のセミナーやイベントの「場」、企業・財団・社団・地方自治体・NPO/NGOなどの様々な「場」を活用、協働実践、共創します。OOSが創出する様々な「場」で人々が出会い、共感し、共生の輪が広がること、SDGsに取組みにより、よりよい社会の実現を目指しています。

 本書では教育現場、被災地、地域交流における学びのほか、パートナー協定を結んだ企業、自治体、NPO法人、一般社団法人と協働して課題解決に取り組んできたプロセスを描き、解決の手法を具体的に紹介しています。

ムハマド・ユヌスの名言「理論を捨て去り、一介の人間に戻って考えよう」
https://forbesjapan.com/articles/detail/32931



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