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「やりたくない」仕事をエンジニアにはさせない、横浜みなとみらいの会社

人間社会に生きると決めた以上、社会に役立つ存在でありたいな。
そして、エンジニアが自身の特性を生かせる場所を作りたいな。

そんな思いで、私、土橋がドヴァを創業してから、24年が経とうとしています。この四半世紀近くの間に、さまざまな出来事がありました。

それでも、初心が変わることなく社会の役に立ち、エンジニアの特性や、やりがいを大切にするという信念が揺らぐことはありませんでした。「そんなのきれいごとだ!」と思われるかもしれませんが、創業以来、追及し続けているテーマです。

「横浜イヤー」に設立

会社の設立は1998年。「横浜イヤー」と言われた年でした。プロ野球の横浜ベイスターズが38年ぶりの日本一に輝き、Jリーグの横浜フリューゲルスが天皇杯を獲得(試合は99年元日)。さらには、高校野球でも松坂大輔選手らの横浜高校が甲子園で春夏連覇を達成しました。そんな象徴的な年に、偶然、ドヴァも横浜で産声を上げました。

主な事業領域は、ネットワーク構築や業務システムの開発、保守、運用など、さまざまな企業のITシステムにかかわる受託業務がメインです。加えて、2019年には、初の完全自社開発サービスとなるRPAソリューション「アシロボ®」をリリースしました。

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また、強みであるネットワーク構築力などを生かし、2012年に設立したグループ会社のオキットでは、沖縄での地域IX(インターネットエクスチェンジ)サービス「OIX®」や、ISP(インターネットサービスプロバイダー)事業などを展開しています。

事業内容からわかるように、IT技術に特化した会社で、社員の約8割がITエンジニアです。そんなドヴァが掲げるコアコンピタンスは「エンジニアファースト」です。

いまやエンジニアファーストを標榜する会社は増えています。特に真新しい言葉でもありません。それこそGAFAのようなグローバル企業だけでなく、国内のインターネットサービス大手などもエンジニアに高い年収を払ったり、福利厚生を手厚くしたりしています。

ですが、私たちはアプローチが違います。エンジニアとは、リスペクトすべき「芸人さん」です。“面白さ”をとことん追求してほしいのです。そのために、ウケそうな顧客層も探してきます。ネタ磨きにも付き合います。相方も探します。雑多なこともしましょう。そして、最高に面白い芸人さんを目指すことに専念してほしいのです。

エンジニアファーストである理由は?

なぜ、私たちはエンジニアファーストを掲げているのでしょうか。

それは、日本において、リスペクトするITエンジニアたちが肩身の狭い思いをしている現状に問題意識を持っていたからです。

例えば、ある受託開発の現場では、ITエンジニアが自分の特性や独創性も生かせず、まるで「作業員」のように働かされている状況が散見されました。その結果、エンジニア本人もモチベーションが上がらず、発注元や上司から指示された仕事を、ただ言われた通りにこなすだけになっています。そして、それが常態化しており、見ていて歯痒い思いをしておりました。

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私は、ITエンジニアは、上述したように「芸人さん」であり、「クリエイター」だと思っております。プログラミング技術などによって企業システムからコンシューマー向けアプリまで、多種多様なサービスを作り上げることのできる人たちです。にもかかわらず、ことさら日本のエンタープライズIT業界においては、彼ら、彼女らのクリエイティビティがあまり発揮されていないことを、前々から悔しく思っていました。それを変えたいと強く願っておりました。

とはいえ、いきなり社会全体を変えたいとは思いません。まずは身近なITエンジニアには自身がいかにリスペクトしているかを伝え、本人の特性を加味して、共に将来を考えてくれるようになってほしい。そのために、エンジニアファーストを心がけています。一人でも多くのITエンジニアが仕事にやり甲斐を感じて、クリエイターとして意欲的に活動してもらいたい——。これが創業時から抱き続けている思いです。

わたしは元来、「自分にできないこと」をできる人たちを、無条件で尊敬しております。字をきれいに書ける人、料理ができる人、それこそ、ものづくりする人たちなどです。ですので、エンジニアのようなクリエイターに限らず、自分自身にない才能を持っている人たちには、敬意を払うべきだと思っています。

やりたくない仕事は、やらなくてもいいよ!

では、ドヴァが実践するエンジニアファーストとは、一体どのようなものでしょうか。

詳細に関しては、このnoteで順次、社員のリアルな声などを通じて紹介していきますが、一例を挙げると、当社のエンジニアには「やりたくない仕事は断ってもいい」と伝えています。それよりも、自身の好きなことを突き詰めて、そこで高いパフォーマンスを発揮してもらいたいと考えています。

基本的には何時に出社してもいいし、仕事の進ちょく管理はしません。プロジェクトは、ゴールと、理想的なプロセスだけを伝えて、あとは本人に任せます。

管理してしまうと、その人の個性は不要になり、もはや誰でもいいということになってしまいかねません。それがまさに、ITエンジニアが作業員のように扱われてしまう状況を引き起こしていると考えるのです。

そうではなく、わたしたちはエンジニア一人一人の個性を生かしたいのです。個性というよりも「特性」ですね。これを最重視しています。

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例えば、当社のエンジニアの中に、どうしても朝起きられない社員がいます。組織によっては、叱責され、無理矢理にでも定時に出社させようとするでしょう。けれども、ドヴァではそれも特性だと認めています。むしろ「朝が弱い」という特性を大事にしたいのです。

その社員は、たしかに朝は弱いかもしれないが、エンジニアとして目を見張るようなスキルがあります。結果的に、それは会社にとって絶大な価値をもたらします。世間一般的な物差しで人を判断しない。これこそがドヴァの文化の根幹にあります。そもそも私自身が「普通、常識、一般」といった言葉が好きではありません(笑)。

人間は常に同じパフォーマンスを出し続けることは難しいと考えます(少なくとも私はそうです……)。ですから、常に心身共に余裕のある状態で仕事に臨んでほしいのです。そのためには自分の状態を俯瞰して判断して仕事をする必要があると考えます。すなわち、他人に依存するのではなく、自主性や自立心が求められます

これを推進するため、実はわたし自身、数年前からドヴァの事業に直接タッチしておりません。ある日突然、会社に来なくなったことで、当時は驚いた社員もいたようですが、これも「他者依存からの脱却」です。社長がいなくても(特定の誰かがいなくても)会社が回る。それこそが健全な組織だと考えているからです。今はあくまで株主としてドヴァをサポートしている状態ですが、それによるクリティカルな問題は起きていません(と信じています……笑)。

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エンジニアをはじめ、ドヴァで働く人たちの素顔などを、少しでも皆さんにお伝えしたい。日本にもこんな風変わりな会社があるのだということを知ってもらいたい。そんな思いでこのnoteを始めました。どうぞお付き合いいただければ幸いです。

(文:株式会社ドヴァ代表・土橋整)

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