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江ノ電に乗って海を見に行った日。

本日は、先日の記事のおまけ…のようなもの。
ここまでの道のりはコチラ↓


鎌倉に来てもう一つやりたかったこと。

それは江ノ電に乗って
海を見ること。

実は幼い頃、鎌倉近辺に住んでいて
よくこの湘南の海に両親と来た。
父とよく砂浜を一緒に走ったっけ。

なんだか無性に海が見たかったのだ。

江ノ電に乗るのは何年ぶりだろう。

停車駅を見ると

稲村ヶ崎、七里ヶ浜、江ノ島…

もうそこはサザンオールスターズの世界。

しばらくすると、海が見えた。
真っ青な海が太陽の光に照らされて
キラキラ光っている。

海だー!!

私の頭の中では
波乗りジョニーがリピートされる。

今すぐ駆け出したい気分。

どこで降りようかな?

と考えて、お天気カメラでも有名な江ノ島にしようと決める。
今の気分に従おう。

江ノ島が見えてきた。

鎌倉駅から20分ぐらいで到着。

行き先表示もクリスマス仕様で可愛い。

江ノ島までとことこと歩いて行く。
この上ない快晴で
海風が気持ちいい。
富士山まで見えて最高だ。
うちから見るより富士山にぐんと近づいた分、
数倍大きく見える。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しいー!!!

まるで絵のよう…
空も青い!海も青い!
どこまでも青!

とんびが

ピーヒョロロ

と辺り一面に鳴き声を響き渡らせ、
気持ち良さそうに飛んでいる。

潮の香り、波の音が
海に来たんだ、という気持ちを
増幅させる。

人のいないところで
マスクをちょっとだけ外して
胸いっぱいに深呼吸した。

ああ、来てよかったなあ。

初めてのひとり旅。
旅、というのは大げさかな。
ひとり遠足。
うん、これだ。
おやつは持ってこなかったけれど。

今日という日は
私史上、間違いなくすばらしく最高な1日だ。

最高だけど。

なぜかさみしくなってしまうのは
どうしてだろう?

こんな最高の1日を
一緒に過ごしたかったな。

夫がいなくなって
もうすぐ4年が経とうとするのに
ふとした瞬間に
自分の隣に彼がいないことを
とてもさみしく思う。

私の中の彼は
まだいきいきとしすぎていて
こんなことをするだろうなとか
こんなことを言うだろうな、が
想像できすぎちゃって
涙が出そうになる。

こんなことを考えるのは
非日常の旅先だからだろうか。

この世界は不思議だ。
ここは私の住む街とは全く違う。
見える景色も
感じる空気も。

同じ時が流れている異空間のような。
パラレルワールドのような。

もしかしたら
私は今日パラレルワールドに
足を踏み入れてしまった?

さっきまで陽気だった波乗りジョニーが
今度は私の胸の内で
ちょっとせつないメロディになって
リピートする。

感傷的になった自分を追い払い
リアルの世界に戻ろうと
私は息子と娘に青い海を見ながら
LINEを送った。

「お土産は何がいい?」

と聞くとすぐさま

「鳩サブレー!」
「鳩サブレー!」

と2人からシンクロした答えが返ってくる。

というか、あなた達、それしか知らないんでしょ?(笑)

「了解。お土産たくさん買って帰るね。」

私は子供たちの待つ
いつもの世界に戻るべく
家路を急ぐ。
かばんにいっぱいの鳩サブレーを詰め込んで。

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