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スミレの味と香り 1

2022年、わたしはスミレの味と香りに魅了された。
まずはパリの老舗香水メゾンのスミレ。大好きなOriza L. Legrand(オリザ ルイ ルグラン)だ。
18世紀から20世紀にかけヨーロッパ各王族御用達メゾンであったオリザ。オリザのスミレといえばロシア皇帝に捧げられた香りViolettes du Czar(ツァーリのスミレ)が何といっても有名だが、まだまだスミレの銘品がある。

Violette Comme Il Faut
PARFUMS DE MAISON
1900年発表

直訳すると「あるべき姿のスミレ」。かつては香水として販売されていたが、現在はルームフレグランスとシアバターソープでこの香りを楽しめる。
ややユニセックス寄りな香りのツァーリのスミレよりもデリケートでフェミニン。パウダリーなスミレの香り。ルームフレグランスはオーデトワレ感覚で使用できる。オリザらしいクラシカルな構成だがフレッシュさもある、パウダリーフローラル香調がお好きな方には是非お試し頂きたい。


オリザの味は会計画面に突然現れた。確かパリ本店の店頭だけで販売されていた品だと記憶している。

Pastilles Violettes

スミレ味のボンボン。アンティーク調の缶を開けると小さな紫色の宝石がいっぱい。口に入れるとバラのように甘酸っぱく、ほんのりとスミレの香りが口に広がる。
なんとも優雅な飴ちゃんである。

そもそもフランスにおいて飴やキャラメルは子供のお菓子では無かった。15世紀にフランス各地の修道院薬局が植物学の知識を活かし、果物やハーブをてんさい糖と調合調理したことから始まる。薬だったのだが、食べてみると実に魅力的な味であったことから、王侯貴族社会から菓子文化は始まった。
カトリーヌ・ド・メディチの主治医兼占星術師であったミシェル・ノストラダムスもいくつかの菓子やジャムのレシピを残しており、今日も読むことができる。

話はそれたが、オリザは香水と飴の店として営業できるだろう。そのぐらい美味しいスミレのボンボンだ。バーベナ味のボンボンも上品な香りと甘さが非常に美味しい。香水を買うついでに是非お取り寄せしてほしい。

つづく。

記事内の写真はオリザの公式サイトより。

スミレの味と香り 2につづく


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