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侍JAPANはなぜ感動を届けられたのか

「感動をありがとう!」

日本中に感動を与えてくれた侍JAPANのWBC優勝からもうすぐ1年です。
「優勝おめでとう」よりも冒頭の「感動をありがとう」の声の方が圧倒的に多かったようです。
試合内容的にもそうだったのかもしれませんが、侍JAPANが本気で感動を与えようとして試合をしていたと知りました。
今回は侍JAPANでヘッドコーチをしていた白井一幸氏の本を2回に亘り紹介したいと思います。

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1回目は「なぜ感動を届けられたのか?」
2回目は「コーチング」についてです。

栗山監督の信条

栗山監督のスタンスは「信じて、任せて、感謝する」だそうです。
著者でありヘッドコーチであった白井氏は侍JAPANの雰囲気が良かった要因として、栗山監督を挙げています。
上記のスタンスの通り、失敗しても決して選手を責めることがないそうです。

そしてその栗山監督が常々意識しているのが「野球界の未来のために、次世代の発展のために」だそうです。
自我を離れた完全に大我です。

白井氏はコーチの依頼の電話の際、栗山監督に「信じてくれたから、任せてくれた」と監督の意図を汲み取り、就任を承諾したそうです。

侍JAPANの「目的」と「目標」

侍JAPANの目的と目標を知っていますか?
大半の人がそんなの優勝や世界一に決まってるじゃん!っていいそうです。

実際高校野球でも目標は「勝つこと」「優勝」というところもあると思います。
しかし、栗山監督率いる侍JAPANは違いました。
目的は「夢や元気、勇気を与えるプレーをし、野球の楽しさ、素晴らしさを次世代に伝えること」
目標は「世界一」

だったそうです。
ビジョンとミッションが明確でした!

これは2011年の女子サッカーワールドカップで優勝したなでしこJAPANとよく似てますね
当時のなでしこJAPANも
目的「日本に希望を届ける」
目標「優勝」

でした。

こうした明確な「目的」があったからこそ感動を届けてくれたんだとわかります。感動をありがとうございました。

改めて確認ですが
目的:ゴール、理念
目標:目的までの手段や指標
です。

その辺りは↑も参照ください。

侍JAPANのチームビルディング3本柱

侍JAPANには3本柱を大切にしてチームビルディングを行ったそうです。
3本柱は
①チームメンバー全員が共有する目的・目標を明確にする
②目的・目標に向けてメンバー全員が自分の役割と責任を認識する
③関わる人になる
でした。1つ1つ見ていきます。

①チームメンバー全員が共有する目的・目標を明確にする

白井氏は①を重要性熱く語っています。
「夢や元気、勇気を与えるプレーをする」という目的をチーム全員が共有していなければ世界一はありえなかったといいます。
そしてその共有に必要だったのが、メンタルコーチングだそうです。白井氏はメンタルコーチングを「社員育成技法であるコーチングを用いて特にメンタル面にアプローチすることで個人の潜在能力を引き出し、組織を強くするための手段」と定義しています。
特に今回の侍JAPANは監督初めコーチ人全員が「選手の成功をサポートするのが指導者の役割」というメンタルコーチングの考えがよくわかっていたそうです。

自ら考えて行動する

「日本には一生懸命頑張る文化はあるけど、子供たちが自ら考えて行動する文化がなさすぎる。もし、侍JAPANが上からの命令に従うというやり方っで戦っていたら感動は届けることができなかった。我々はメンタルコーチングを通じて自主性を持って、全力で明るく伸び伸びとプレーできたと」言います。
この自主性が控え選手の不平不満という問題を解消できたようです。

チームのために

侍JAPANでは当然試合に出られる選手と出られない選手が出ました。野球なので当然です。侍JAPANでは選手の調整は選手各自に任せていたそうです。しかし、春先で調子の上がらない選手も出ます。それでもそういった選手等が「ピークを合わせられなかったのは自分のせい、試合に出られないけど自分たちの目標は世界一。世界一のためにできることは何だろう。ムードメーカーとして声を出そう」

白井氏はSLAMDUNKのようなセリフも出しています。
「個人がただ頑張ればチームがよくなるのではなく、チームのために頑張ることこそが、個人の成績を伸ばすことに繋がる」と言っています。
※スラムダンクは安西先生がホワイトヘアーデビル時代に矢澤くんに「おい矢澤!お前のためにチームがあるんじゃねぇ、チームのためにお前がいるんだ!」でしたね。

侍JAPANには試合に出られない不平不満の空気がなかったそうです。

指導者の「自責思考」

自責思考に関してはこちらで述べています。ご参照ください。

白井氏は日本人の指導者には「自責思考」が無いと言います。
選手がミスをすると指導者は叱る。当たり前と思われがちですが、そうではないと白井氏は言います。選手がミスをしても「器用した首脳陣が悪い」と言います。これが指導者の自責です。
ミスをして一番悔しいのはもちろん選手です。そこを叱ることで選手は萎縮しミスを繰り返してしまうといいます。
そして1番問題なのは「選手との人間関係が壊れること」と白井氏は言います。
また、選手には「目的」「目標」を設定させながら首脳陣は叱責ばかりしている。という例もあるそうです。

②目的・目標に向けてメンバー全員が自分の役割と責任を認識する

2つ目はゴールに向かってメンバー全員が強みや役割を生かすことです。
栗山侍JAPANにはリーダーはいませんでした。しかし、選手全員にリーダーシップを求めました。そのリーダーシップというのが「強みや役割を生かして責任を持ってチームに孝謙すること」

栗山監督は今回はリーダーを選びませんでした。短期決戦では自然発生的にな方がいいし、リーダーの肩書きを与えると皆がリーダーに依存するという考えです。確かに2回目の優勝の際はイチロー選手が大分胃を病んでましたね。
栗山監督の中では全員がキャプテンであるとしました。自然発生的にリーダーになったのはルビッシュ選手だったようです。
最初は選手みんな気負いがあったようですが、ダルビッシュ選手が「戦争に行くわけじゃない」と言って選手をほぐしたようです。

そして伸び伸び楽しく全力!高校野球が人気なのは皆が全力でプレーするからです。そして侍JAPANも全力プレーでした。それはもちろん目的に現れてます。全力プレーは応援したくなりますね!

③関わる人になる

①、②で十分語りましたが、侍JAPANにおいては皆が自分事だったことがいい結果につながりました。
①と同じですが全員で「目標」「目的」を共有し、焦点を合わせた結果が世界一につながりました。
一人でも焦点がズレているとダメだと白井氏は言います。それを放置すると一気に組織はダメになります。

まとめ

やはり「目標」「目的」の設定は大事です。
明日はコーチングです。

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