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バラエティ『LIGHTHOUSE』を観た


東京ドームにいまいち乗り切れない寂しさ

『LIGHTHOUSE』を観た。

 配信開始されたタイミングでは、いまいち気が乗らず観ていなかった。どちらかと言えばJUNKやTBSラジオ派なので、布陣にどことなく疎外感があったのかもしれない。加えて、最近よくあるような「ルサンチマンの逆襲」的なものに辟易していた。観なかった理由は、これの方が大きい。クラスの隅っこで盛り上がるヤツらが、カウンターカルチャーを武器に一軍へと物申す、そんな構図にいい加減飽きていた。本作もそう言う感じだろうと思っていた。

 いざ再生してみるとそれは杞憂だった。先述した「ルサンチマンの逆襲」より、さらに一歩踏み込んでいる。誰でもきちんと生きてたらぶつかってしまう悩みに、禅問答のように対話していた。また、「成功者のくせに何言ってんだよ」とも微塵も思わない。日々を一生懸命過ごせば、視点は違えど全員モヤつくのだ。今、自分は『さみしい夜にはペンを持て』と言う本を読んでいて、それに通じる気がする。一行日記なんて、まさにそう。やり過ごしてしまいそうな気持ちに、答えを出そうともがく人の番組だ。特に、星野源がすごい。察する力の強さに驚かされる。良くも悪くも、若林さんは自問に対して、どうしてもお笑い的なアプローチが見え隠れする。例えば、観客が入る回だと、内包的な部分よりどことなくオーディエンスへの忖度が伝わってくる。それも星野源は見抜く。もちろん、若林さんも素敵なんだけど、それ以上に星野源に惹かれる番組だった。オレは、鋭い言葉を選べる人の方が思慮深く優しいと思っていて、全体を通してそれを感じられる内容だった。

 おっさんになればなるほど、幸福度は相対評価ではなく絶対評価だと気付かされる。生き方もコンテンツも多様化が進む昨今、より強くそう思う。その上で、番組名含め多少鼻につく部分もあるものの(自覚してそう笑)、良い作品でした。

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