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耳鳴り潰し3

 朝一で市役所に行って用事を済ませた。つもりが前回も忘れていた用事の一つをまた忘れたことに後から気付いた。その足で耳鼻科へ。子どもの診察で行ったことはあるが自身は初めて。結構混んでいた。紹介状とCT、MRI画像の入ったDVD-Rを受付に渡す。

 鼻と喉の通りを診察した後、聴覚検査、鼓膜の振動検査もする。高音の「ピー」音がやはり耳鳴りと重なる。

 聴覚検査の結果、高音を聴き取りにくくなっているようです。「加齢による聴覚低下と考えるにはまだお若いですし」妻に耳鼻科でのやり取りを説明した際に「お若い」を強調する。
「聴覚神経の通っている部分を重点的に撮っているいるわけではないので分からないのですが、脳脊髄液減少症との因果関係は私には断言できません」
 といったことを言われる。まあそれもそうだ。「液が減って脳脊髄が落ち込んだ結果、聴覚神経が傷ついた」という脳神経外科の先生の判断も憶測でしかない。

 頭痛も耳鳴りも、他人には本当のところは理解されないのだ。

 漢方薬と、耳の血行を良くする薬を貰う。服用したが耳鳴りは当然消えることはない。

 15時から支援学級懇談会。娘と息子の担任と話し合う。隣で娘と同学年の保護者の方が割と長く話されていた。特別大きな声でも金切声でもなかったのに、そちらに近い右耳がビリビリと痛んだ。気のせいかと思ったが、言葉の継ぎ目で静かになった瞬間に、耳が喜んでいるのが分かる。普通の人の会話がつらいのは厳しい。

 息子の給食初日は、牛乳はあまり飲めなかったそうだが「コッペパン美味しかった」とのこと。支援の先生は「私はここにいていいのかな」と思うくらい、今のところ介助の必要もなく、クラスに馴染んでいるとのこと。同じ幼稚園出身者以外ともよく話しているそうだ。

「千人伝」に市役所に用事を忘れたこと、耳鳴りのこと、などを主題に五人分追加する。

2024/4/17
耳鳴り潰し 約500文字
千人伝 約500文字×5人分
その他 約600文字
過去作書き写し 掌編小説3編



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