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架空書籍紹介(50冊目~56冊目)

※添えている画像は全て生成画像です。文章は生成物ではありません。

50冊目「AI怪談集」

生成するAI画像の人物が、自分の顔に似てきたな、と思った著者が集めたAI関連の怪談集。主客逆転してAIのいうことを聞くようになった男の話、AIに作らせた漫才が全く受けない話、AIに書かせた小説が売れない男の話など、後半は失敗談に。もちろんAIが意図したものである。

51冊目「読書筋トレ術」

ヒグマを素手で屠ってきた男に私は訊ねた。
「どんなトレーニングをされているのですか?」
男は黙って読んでいた本を私に手渡した。それは紙ではなく鉄で作られており、数十キロはあった。私は持てなかった。
「本を読むだけで自然とこうなる」男はそう言って笑った。

彼は絵本「読書家たち」にも登場

52冊目「ネッシーの養殖」

ネス湖でネッシーの養殖産業に長年取り組み、ついに成功させた著者による凄絶な記録。地元住人との軋轢、オカルトマニアからの妨害、ネッシーの天敵となっていた謎の椅子型生物コッシーとの戦いなど。今では世界中の湖にネッシーを輸出する一大産業となっている。

53冊目「本を読むカラスたち」

生ゴミ漁りを終えたカラスたちは、廃品回収に出されていた本を開いて読み始めた。始めは一羽だったのが、次第に本を読むカラスたちは増えていった。人よりもカラスの方が本をよく読むようになっていた。シェイクスピア「リア王」を演じるカラスたちも現れた。

※絵本化したものはこちら

54冊目「音がら」

音を発した物はもうないのに、抜け殻のように音だけが残る現象を「音がら」という。花火の音が、ラムネを開ける音が、ドアを激しく閉めて人の出ていく音が、昨年の夏から残り続けているのに、また今年も夏が来てしまった。新しく買ったラムネを、音がらに合わせて開ける。

前作にあたる「声がら」はこちら

掌編小説化した「音がら」はこちら



55冊目「終電ダッシュ」

次回の五輪種目に正式採用された「終電ダッシュ」に人生をかけるランナーたちに迫ったノンフィクション。過酷な労働環境の中で、毎日終電に迫る時間まで働き続ける。タイムカードを押した瞬間から電車に乗り込むまでのタイムを競うこの競技に、真の勝者はいない。

※終電ダッシュは、先日「ある魔女が死ぬまで」のアニメ化が決定した坂先生のポストより。終電間際まで仕事をこなしつつ、終電に駆け込むためのダッシュをいう。

56冊目「物語たち」

かつて子どもという生き物がいた。今はもういない。かつて大人という生き物がいた。今はもういない。かつて動物という生き物がいた。今はもういない。かつてロボットという生き物がいた。今はもういない。物語というものがあった。物語だけは今でもまだ続いている。


初期の作品にも全て挿絵追加済みです。


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