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「山頭火と風鈴と」#シロクマ文芸部

「風鈴」と打つと検索結果に「(38)」と表示された。「種田山頭火全集・68作品⇒1冊」の話である。

 そういえば結構風鈴という単語が目についた印象があった。いくつか抜き出してみる。句集「草木塔」収録分だけではなく、日記などからの抜き出しもある。

あんたが来てくれさうなころの風鈴
風鈴の鳴るさへ死のしのびよる
初孫がうまれたさうな風鈴の鳴る
風はうららか風鈴の音もつゝましく
風が吹きぬける風鈴と私
風鈴鳴ればたんぽぽ散ればとんぼ通りぬける
山から風が風鈴へ、生きてゐたいと思ふ
しんみり風に吹かれてゐる風鈴は鳴る

 現在種田山頭火の自由律俳句の生成画像を作っている。自分の好きな句でありつつ、画像映えするものを50句ほど選ぶ予定。上記風鈴の句では「風鈴の鳴るさへ死のしのびよる」を選んでいる。

 私自身は風鈴の音色は苦手な方で、特に風の強い日に聞こえる風鈴の音色には風流を感じることなどできなかった。だから山頭火を始めとして、風鈴を扱っている作品に対して正当な評価ができる自信がない。もっとも、じゃあ「正当な評価のできるもの」って何だろう、と考えたらよくわからなくなる。なので考えない。

 今の自分の歳に山頭火は何をしていたかと調べてみたら、雲水姿で漂泊の旅に出た歳であった。私にはそのようなことはできないしするつもりもないし風鈴はうるさい。そんなわけで生成画像を一枚貼って終わりとする。

風鈴の鳴るさへ死のしのびよる

(了)

今週のシロクマ文芸部「風鈴と」に参加しました。最近試みている「短歌や俳句の画像生成」「種田山頭火に絞って」と絡めてみました。風鈴の音は苦手ですが山頭火は好きです。


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