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童話「ドMのパパ」

 子どもたちとマインクラフトをやっている際に、「羽ペンと本」というアイテムがあるのに気がついた。本に書き込みをして保存出来る。さっそく娘にも読めるようにひらがなを多用して、童話を書いて、私の家のチェストの中に置いておいた。こっそり忍び込んできた娘が本を発見して読み始めた。

 こんな内容だ。

「ドMのパパ」

 むかしむかしあるところに、ドMのパパがいました。
 ドMのパパは毎日かぞくにボコボコにされて、ニヤニヤしていました。

 ある日、ドMのパパたちの住む村に、わるいウォーデン(注:マイクラ内に登場するものすごく強いモンスター)がやってきました。
 村人はウォーデンにやられていきます。
 村を守っていたアイアンゴーレムも、みんなたおされてしまいました。

 わるいウォーデンはとうとうドMのパパたちの家までやってきました。
「パパ、ウォーデンをやっつけて!」
「パパにまかせなさい!」

 パパはドMですから、わるいウォーデンにいくらなぐられても、ビームをうたれても、平気なかおをしていました。むしろニヤニヤしていました。

「パパ、わらってないでやっつけないと!」
 子どもたちの声でドMのパパはわれにかえりました。
 いくらやられても平気ですが、力が弱いので、ウォーデンをやっつけることができないのです。

「何してんの!」
 するとそこにドSのママがやってきました。
 ドSのママはスリッパでわるいウォーデンをペチペチとたたき、体当たりでふっとばし、たおれたウォーデンをふみつぶしてしまいました。

 こうしてドMのパパとドSのママのかつやくにより、わるいウォーデンはたおされて、村に平和がもどってきました。

 今日もドMのパパは、みんなにボコボコにされてとてもうれしそうにしています。

 めでたしめでたし。

(了)

 あまり絵本など読まなくなってきた娘が、嬉しそうに朗読してくれた。
 ドSのママにウォーデンが倒される場面で息子は手を叩いて喜んでくれた。
 もちろん、ドMのパパの描写についてツッコミは一切入らない。日常だから。
 そういえば「ドレミの歌」の替え歌で「ドMの歌」を息子が歌っていたことがあった。


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