見出し画像

夏ピリカ準備(さまざまなかがみ)

前回参加させていただいた掌編小説祭「冬ピリカグランプリ」から半年、「夏ピリカグランプリ」が開催されます。

今回のテーマである「かがみ」の発想元の素材提供などがこの記事の狙い。
私自身はひな形となる物語は既に作成済なので、あとはどのように仕上げるか、という段階。

不思議と、意識して「かがみ」を扱った作品を渉猟していたわけでもないのに、自然と最近聴いたり読んだりしたものの中に「かがみ」が散りばめられていた。

最近はこればっかり聴いている、頭脳警察の曲「万物流転」より


鏡の中から叫ぶ おまえの声 聞こえない
移り変わる時代を捨て 唇も凍えてる
森の木々は朽ち果てて 季節まで売りつくし
獣は生血を求め 街路樹に身を隠す

頭脳警察「万物流転」より

息子が幼稚園から借りてきた絵本が、まさにそのもの
「かがみのえほん ふしぎなにじ」

絵本を90度で開くと、鏡張りのような銀色の紙に、描かれた虹が映って、丸くなったり糸が伸びていったり。

続いて再読中の小説、大江健三郎「M/Tと森のフシギの物語」より。祖母が語る、村の創建に係わる神話のような昔話より。

 新しく生まれたばかりの川に、どのようにして岩魚とアマゴの大群があらわれたのか? 「壊す人」は、それを次のように説明したということです。この森のなかを鏡の川は流れていた。そこには岩魚とアマゴが群れていた。いま地表にあらわれた川に、鏡の川から岩魚とアマゴが移って来たのだ。鏡の川にたくわえられている魚の量は無限に近く、地表の川から魚が失われれば、つねに一定量を保つだけの魚が移って来る。川虫も羽虫も豊かにあることだし、自分らが「大簗」で岩魚とアマゴをいくら捕らえたとしても、水産資源が涸渇するということはない……。

大江健三郎「M/Tと森のフシギの物語」より


「鏡地獄」といえば江戸川乱歩の小説。そちらを題材に作曲された人間椅子「鏡地獄」ライブバージョン。


最後に、稲垣純也氏のスナップ写真のうち、鏡関係のものを幾つか。
記事投稿の際に「みんなのフォトグラフィー」から「稲垣純也 鏡」などで検索すれば出てきます。

主催者のピリカさん、審査員の方々、投稿される皆様にとって、より良き祭りとならんことを願って。


前回の「冬ピリカグランプリ」参加作他



入院費用にあてさせていただきます。