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耳鳴り潰し132

 ぎっくり首、とでもいえばいいのか。朝食前に食器棚に向かった際の何でもない動きで、首にぴきっと痛みが走る。首筋の痛みは脳脊髄液減少症の症状の一つでもある。そこから身体があまり動かなくなり、倦怠感も強くなる。私の様子がおかしいのを察して、妻と娘が買い出しにいく。痛み止めを飲み、息子とマイクラでなんとかやり過ごす。

 痛み止めが効いたせいもあって、午後からは子どもらとちゃんばらごっこもこなすが、一息ついたところでダウン寸前となる。息子はレゴ、娘は「甘利田先生ごっこ(おいしい給食ごっこ)」を所望。じゃんけんで娘が勝つ。統合して「甘利田先生の授業中にレゴで遊ぶ生徒ごっこ」となる。

 給食マニア全開時ではなく、低い声で冷静に話す時の甘利田先生の演技ならかろうじてできたので、娘と「学校は何をしに来るところか」討論を開始。私は常に「給食を食べるためだ」と言い張る。娘は「友達や彼氏彼女と青春を過ごすため」と主張。私はそれらの行動は全て食によって支えられていると抵抗する。しかし娘も譲らず、給食を作っているのも人である。人との関わりが一番だと続けた。

 そこで私はもう無理となり、部屋の脇にある、畳んだ布団の上に寝転がった。その状態のまま演技を続けようとしたが、いつの間にか眠り込む。

 息子の絵日記の絵を描こう、と言っていたが難しくなり、娘に代わりに見てもらう。絵のテーマは「水族館でヘビを見ている自分」である。実際には水族館ではなく、「水族館的展示もある博物館」だったが、細かいことはいいだろう。デイ・サービスの日に行ったので、二人とも思い出を共有している。息子が一番印象に残ったという大きなヘビを描くことに決めていた。後で娘の下書きを見ると、バランスの取り方などが上手かった。結果的に美しい姉弟愛を見ることができたともいえる。


息子の描く参考のために娘が描いたヘビ

 ここ数日の、子どもたちの遊び相手になりすぎた疲れもたまっていたのかもしれない。三年前の第一期主夫期では、週末に疲れで倒れることがよくあった。今回はそこに持病の症状が重なったともいえる。

 白鉛筆さん主催の桃太郎企画に「自分なりの桃太郎を書けないでいる話」で参加。複数案の中からどれかを選ぶのではなく、ほとんどぶちこんだ作品となる。それらの舞台裏を付記しようと思ったが、結構な量になりそうなので後日別記事としてあげることにする。

 焼き鮭の皮を、娘は残す。息子は食べる。息子の食の好みは私に似ている。


入院費用にあてさせていただきます。