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読書系

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#コラム

「躁鬱大学」坂口恭平

 メンタルの化け物と長い間言われてきた。中学生ならば即自殺してもおかしくないような扱われ…

泥辺五郎
2か月前
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「生き直し」岡部えつ

 幼稚園年長組の息子の卒園が近づいている。「幼稚園に行くのはあと◯日」と毎日言っており、…

泥辺五郎
3か月前
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「嘘を愛する女」岡部えつ

 脳脊髄液減少症による3週間の入院生活明け、退院日翌日に、市役所を訪ねた。娘の通うデイ・…

泥辺五郎
3か月前
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Kindle出版物で心動かされた本5冊

 入院18日目。入院中読んだ本の数は43冊となりました。当初は「哲学攻めっか! 古典挑むか!…

泥辺五郎
4か月前
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「3年間、失敗し続けたら作家になっていた話」はたらくたぬきち

*  今後自分はどうなるのだろう、と考えるとあまり眠れなくなり、睡眠薬をもらって飲んでい…

泥辺五郎
4か月前
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「臣女」吉村萬壱(再読)

 入院生活も長引くとKindle Unlimitedで読みたい本を探すのも大変になってくる。それならばい…

泥辺五郎
4か月前
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「電柱鳥類学」三上修

 人は二種類に分類できます。  ボケを挟まないと生きていけない人と、そうでない人と。 「電柱鳥類学」の著者である三上修氏は間違いなく前者であるといえます。  本書は電柱とそこに止まる鳥との関係を書いた一冊であり、まえがきでいきなり「電柱鳥類学」なんて学問名称はありません、と断言しています。著者の造語であるのですが、私が本書を手に取ったのはタイトルに惹かれたからですので、読む前から既に読者をつかむことに成功しているといえます。  電柱の詳しい解説から始まるのですが、その中に

吉村萬壱「CF」

誕生日に、二冊の本を買った。 Twitterで一言、呟いてみた。 (「ポラード病」→「ボラード…

泥辺五郎
1年前
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砂川啓介「娘になった妻、のぶ代へ」

著者は初代体操のお兄さん。妻の大山のぶ代さんは1979年から2005年まで、初代ドラえもんの声優…

泥辺五郎
2年前
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岡田真弓「探偵の現場」

探偵依頼の77%は不倫調査という。 大規模な探偵社の社長が書く、探偵の現場についての一冊。 …

泥辺五郎
2年前
4

佐藤大介「13億人のトイレ 下から見た経済大国インド」

13億人の人口を擁するインドでは、人口分のトイレは用意されていない。誰もが家にトイレを持っ…

泥辺五郎
2年前
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今村夏子「星の子」

そもそも今村夏子を読むきっかけとなったのは、しばらく前に見たTwitterのタイムラインだった…

泥辺五郎
2年前
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今村夏子「むらさきのスカートの女」

ミイラ取りがミイラになる話ではなくて、ミイラは実はミイラではなくて、ミイラ取りは最初から…

泥辺五郎
2年前
3

小島信夫「抱擁家族」(再読本)

初めて読んだ時の状況はよく覚えているのに、内容のほとんどが記憶にない。主人公の妻がアメリカ人と情事を交わしたことがきっかけで家庭が綻びていく……という導入部はなんとなく記憶にあったが、その後の展開は何気なく淡々と書かれているように見えて、その実全ての人が狂っているようにも見えてくる。 本書ともう一冊、多分牧野信一「父を売る子・心象風景」だったと思う。どちらかが読みかけであった。父方の祖父が亡くなった際に病院で読み終えた。二十年ぐらい前のことだ。 「いつ亡くなってもおかしくあ