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週末は、Niksen。 “何もしない時間”が、人生に幸せを呼び込む

読書感想文です。コロナで息苦しい世の中。家にいる時間が増えたが、それがストレスにもなっていることに気づく。コロナは良くも悪くも「ひとつの時代」と捉え、今までの自分の生活も見直そうとこの本を手に取った。

何かやらないと。そう思ってゆっくりできない日本人は、私も含めて多いと思う。北欧の生活が注目される昨今、日本も学ぶことはある。それは北欧も最初から豊かな暮らしを享受できた訳ではないからです。日本はオランダのような個人主義でもないので難しいこともあるが、良い部分は吸収したい。そんな感じです。


ひとことで言うと

Niksenとは、 何もせず、何も生み出さないこと。 義務感や生産性から自分を解放して、ボーッとすること。

Niksen (ニクセン)という聞きなれないことば。少し前にデンマークの「ヒュッゲ」が注目されました。日本語訳はないけれど、「ほっこりする時間」を過ごすこと。Niksenの場合は本当に何もしない。次の予定を考えたり、あれこれ悩んだりせずに、自分が抱えている問題をいったん脇に置いて、心を浮遊させる。自分が心地よい状態を作り出すことが大切。まずは何もしないことから始める。だからこそ日本人でも再現しやすいのではないかと思う。


まずは自分軸をもつこと


家族・友人・健康。
人生のプライオリティをつけ、自分で自分の時間をコントロールする。
家族を一番にしているから仕事は週3でいい。定時にあがることでもいい。人付き合いで無理をしすぎない。室内よりも公園やテラス席に行きたい。
居酒屋にいくよりもパブに行きたい。
居心地のよいシンプルな部屋で暮らしたい。
人との争いを起こすなら適当にうなずいてやり過ごしたい。


<実践したい3つのNiksen>

本書にはたくさんのNiksenが紹介されています。実際にやってみたいNiksenを3つピックアップしました。


①ルーティンを味わう

人間の大半はルーティンで出来ているのに、それを楽しめないのは人生を楽しめないことと同義だなと感じました。

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●朝の白湯を大好きなマグカップで飲む
●食後のコーヒーを味わう
●洗濯物の良い香りに包まれる
●寝る前のキャンドルの光で落ち着く
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先の見えない目標のために、タスクをこなすことに追われるのではなく、日々の生活に楽しみを見つけられたら、人生はよくなる気がします。
良い人生は良いルーティンから。


②とにかく、ぼーっとする

不思議なことに、この状態にあるときの脳は、集中して仕事に取り組んでいるときよりも広範囲にわたって活動を活発化させているようなのです。むしろ、問題にがむしゃらに立ち向かっている状況は、実はストレスを高め、創造性を損ねているのだとか。だから、ボーッとして「何もしない」ことで罪悪感を抱く必要はありません。 脳はその間も十分に活動している

人間の脳にはデフォルト・モード・ネットワークという、自分の状況を俯瞰的・客観的に捉える機能があるそうです。このぼーっとする間に"ひらめき" をあたえてくれるもの。創造力を発揮するには、くだらないことで脳を疲れさせず、ぼーっとすることで脳の処理能力に余裕を与える方がいい。

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●"ぼーっと" 絵をみる
●"ぼーっと" コーヒーを飲む
●"ぼーっと" 散歩をする
●"ぼーっと" 太陽を浴びる
●"ぼーっと" 音楽を聴く
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ただしスマホを見ると、自分と向き合う時間がなくなります。スマホがないと、なんとなく自分が取り残されたような気がする。その不安を乗り越えたときに、自分と向き合う時間があまりにもなかったことに気づかされます。

スマホの代わりに"ぼーっと"してみる。脳にひらめきを与えてくれる上に、セロトニンが分泌され自律神経も整う。ぼーっとしていていいんですね。

ちなみにオランダには都心部から30分ほどいけば森があるそうです。サイクリングロードも整備されていて、自転車に乗ってNiksenもできる。日本の狭くて危険な自転車環境からすると羨ましい限りです。


③計画しすぎない

そのときの天気や気分次第で行き先を決めてもいいし、あてもなくぶらぶらしてもいい。その日は、公園やアパートの部屋、ホテルのプールサイドなどで、何もせずにひたすらニクセンしてもいいでしょう。・・・ぶらぶら歩いているうちに見かけた教会に入ってみたら、思いがけずパイプオルガンの演奏やゴスペルを楽しめた、なんていうこともあるのです。

共感しすぎてアメリカで過ごした夏の一ヶ月を思い出しました。みんなで学校に行って、放課後はあてもなくビーチや近くのお店に行ったこと。観光地にも行ったけれど、そこでの日常は忘れられない時間でした。数年前にいったオランダでは、観光地から少し離れたオフィス街でオランダ人の日常を見ることができました。たいした予定もたてずにふらふらと街を散策したり、現地の人が行く場所に訪れるのがとても楽しかった記憶があります。

観光名所をせかせか回るのも悪くないけど、すごく疲れます。休みの日はららぽーといって、テーマパークいって、旅行にいって渋滞にはまる。せっかく休みでリフレッシュしたいのにストレスになってしまう。日本人は休めないのかもしれません。だからこそ私も「計画しすぎない休日」を少しずつ始めようと思います。


おわりに

天気のいい昼下がり、オランダの公園では人々が芝生に寝っ転がって日光浴している。カフェではビール一杯で、延々と歓談するカップルがいます。夕方の薄明かりの住宅街を歩けば、ほの暗いランプに浮かび上がる部屋の中で、猫を膝に乗せて読書している女性が窓の外から見えます。

オランダに行ったとき、夕方見た風景に近いものでした。すごく温かい気持ちになったのを鮮明に覚えています。読み終わって思ったのは、シンプルにNiksenとは幸せな暮らし。日々の生活に「なにもしない」時間をつくってゆとりをつくる。焦っても大したことはできず疲労感が残るだけです。

「充実させなきゃ」と休みの日までTodoリストでせかせかするのではなく、キャンプやサイクリングで自然と触れ合い、何もしない時間をたのしむ。大人になったからこそ、そういうことに幸せを見つけていきたい。他にも心が豊かになれる言葉がたくさんありました。ぜひ手に取ってみてください。

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