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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

読書感想文です。前回、世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術で、これからは価値を生み出すために「世界観をつくる」ことが大事だと学びました。美意識というとなんだか歯がゆさがあります。でも「なぜこれを選び、これを捨てるのか」という正解のない問いに対して、判断基準となるリテラシーになるのではと、この本を手に取りました。さぁいきましょう。


ひとことで言うと、

答えのない世の中では、自分なりの「真・善・美」の感覚が頼り。

この「真・善・美」の感覚が美意識となります。これは論理的ではなく、直感や感性です。VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧)と呼ばれる現代では、美意識による判断が必要だということです。

分析・論理・理性に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」である戦略系コンサル会社やエリート大企業。美意識がなくても成功しているイメージがあります。でもその論理的にこそ問題があるといいます。

論理性の問題点
1 すべてに論理的思考を求めた結果、同じ答えになってしまう。差別化できない上に、不確実性にも対処できない。
2 世界中の市場は感性が生み出す「自己実現的消費」へと向かっている。論理性では人を動かせない。
3 変化が速い時代には「こうすればいい」という論理的なルールもなく、経営における良い・悪いの判断を自分の「美意識」に頼っていくしかない。

MBAは知識として価値のあるものだと思います。なんなら少し憧れています。ただどこにでもMBAスクールがあるように、論理的思考が量産された結果、同じ答えになりやすいのです。そして価値を生み出せなくなり、グレーゾーンな経営判断や、閉塞感が漂う会社が増加します。


どうすればいいのか

現代社会では自己実現的な消費にシフトしているため、Appleやスターバックスなど、機能・デザイン・ストーリーが融合された世界観が必要です。似たような店やサービスがでてきても、世界観は真似できない。これが最大の価値なのです。

「エッセンスをすくいとって、後は切り捨てる」

これはデザインにも言えることで、今日のデザイン思考が注目されている理由かもしれません。このエッセンスを視覚的に表現すればデザインになり、文章で表現すればコピーになり、経営の文脈で表現すればビジョンや戦略になるのです。つまり経営者は美意識を判断軸に、選択と捨象をして世界観という名のビジョンをつくっていくことが必要です。

終わりに

論理性が皆無の私には、「世界観をつくる」の復習にもなりました。水野氏の「センスは知識からはじまる」にもあるように、知識→センス→美意識の順で鍛えていく必要がありそうです。つまりインプットが重要です。


美意識を鍛える方法として、アート・哲学・文学・詩があるそうです。
個人的には観察力を鍛えるアートと「メタファー (比喩) の引き出し」を増やす詩のリテラシーを増やしていこうと思いました。慣れない分野で新しい挑戦になりそうです。

本書では美意識をもって成功している会社、これまでのサイエンス型の会社など、様々な事例を紹介してくれます。より理解が深めたい方はぜひ手にとってみてください。

https://www.amazon.co.jp/dp/B073S1RJX2/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1




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