見出し画像

ツー・ステップ・ビーチのミラクル

お気に入りのコンドミニアムのコンシェルジュの
おじいさんに教えてもらったのが、
ロコに人気のツー・ステップ・ビーチだった。

海へのエントリーにちょうどよく岩で2段の
階段になっているから名付けられた愛称らしい。

早速、出掛けてみると、
そこは溶岩に覆われた岩場で駐車場もなく、
トイレもちょっと怪しい小屋だったりする海岸だった。
ロコたちに混じって路上駐車する度胸もないし、
トイレも確保したいため、
となりのプウホヌア・オ・ホナウナウ歴史公園の駐車場へ
お金を払って駐車。
よし!これで安心して遊べるぞ!
と張り切ってとなりの岩場の海岸へ。

するといきなり、岩がのそっと動いた気がしたが、
それはウミガメだった。
これは幸先がいいなぁと思っていると、
遠くで歓声があがった。

見ると、水平線の近くで何かが景気よくジャンプしている。
前にドルフィン・スイムで追いかけたスピンドルフィンだ!

クルクルっと回転しながらジャンプして、
また回転しながら水しぶきをあげて海に潜っていく。

慌ててシュノーケリングギアをつけて
2段の階段から海にエントリーすると、
スピンドルフィンたちがまだ遠くで
時々ジャンプしているのが見える。

なんとか近くに行きたいっ!
あまり泳ぎが得意ではないわたしは、
不安で岸から離れられない・・・。

祈るしかない!

「イルカちゃんたち、また会えて嬉しいよー、
お願い、もっとこっちに来て、
一緒に遊ぼうよ!おいでおいでー!」
と海の中でブクブクしながら叫び続けた。

しばらくすると、
シュノーケリングをするわたしの目の前を
すごい勢いで何かが通り過ぎた。

あ、スピンドルフィンだ!
わたしの目の前でジャンプして、海に潜っていったんだ!
前に見た時よりずっと近い。

5、6頭のイルカたちは
次々とわたしの周りでジャンプを繰り返す。

わたしはイルカたちに
「ありがとう、近くに来てくれたんだねー、嬉しい!」
とまたブクブクしながら水の中で叫ぶ。

海の中を浅く泳ぐイルカたちの背中には
太陽の光がキラキラと反射していて、神々しく光って見えた。

まるで神さまのお使いの天使みたいだ。

ミラクルな出来事に胸がいっぱいになった
ツー・ステップ・ビーチ。

ウミガメに出会って、イルカたちと遊んだ午前中。

この地球の上で生きているのは人間だけじゃない。
ウミガメもイルカもこの地球で一緒に暮らしている。

画像1

2021年追記:
あの日のイルカたちとの遭遇は
いま思い出しても奇跡のよう。
はるか遠くの沖でジャンプしていたイルカたちが
一瞬で目の前に現れてくれたなんて。
やっぱりイルカたちはテレパシーが使えて、
私がブクブクしながら一緒に遊びたいよーと
伝えたのはちゃんと伝わったんだなぁと思うと
なんだか胸がじんわりと温かくなるのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?