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外来種を探究!二ホンウナギの研究者と高校生が対話しました

生物多様性・外来種をテーマに探究している高校生に対し、東京大学大学院で二ホンウナギの研究を行っている竹内さんとの対話機会を設けました。

竹内宏太さん(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
ニホンウナギの放流に関する研究を行う。放流ウナギの生態学的研究は乏しく、その資源増大効果やより効果的な手法は明らかになっていない。そこで竹内さんは、実際に河川に放流したウナギの生残や成長の追跡、飼育実験から放流に用いる養殖ウナギの特徴の把握を行い、これらの生態学的研究から放流の資源増大効果やより効果的な手法の解明を目指す。

生徒たちは「ザリガニを採りたい」「魚を釣りたい」という素直な好奇心からアメリカザリガニや外来魚の生態調査をしていましたが、ただ捕まえて放す、という所から研究を進められずにいました。

そこに対し竹内さんから、生徒の興味関心を尊重しつつもより生態学研究として成立するように様々な助言をいただきました。

「アメリカザリガニを自分たちがただ駆除するという視点ではなかなかサステナブルにはならない。アメザリに漁業的価値を持たせることが出来れば、自然と漁師が採りたくなる仕組みが作れるのでは?」
→ この助言を基に、生徒は「アメザリの特徴を調べ、美味しく食べられる調理方法」を研究してみようという話になりました

「外来魚の食生を調べるのに、実は研究者もよく使う方法として『お腹を割いて胃の内容物を見る』というアプローチがある。ただし消化のタイミングや、消化物の元素から食物を推測するなど、色々科学的に工夫する必要がある」
→ 生徒は実際にこうした、外来魚の食生調査に挑戦してみようと意思決定しました

生徒たちは竹内さんの助言や竹内さんご自身の研究内容に興味津々で、様々な質問が飛び交いました。

・外来種との共生を考えるべきだと思うか?
・ウナギとアメリカザリガニの共通点はあるか?
・なぜウナギを研究しようと思ったのか?

生徒からの質問の抜粋

以下に、生徒からの感想を示します。

・竹内さんがうなぎについて調べている理由を聞けたし、アメリカザリガニの発表で活かせる内容を、たくさん教えてもらえた。ありがとうございました。

・自分たちの班ではザリガニを駆除して減らす考えしかなかったが、知識豊富な方の視点から商品価値がないものに商品価値を与えて漁業や人々に減らしてもらう戦法がとても学びなったと感じてます。

・自分たちはただ取るだけの活動にしようと思っていたけど、その後のことを考えることによって違う視点から見ることが出来てすごい面白かった。


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