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土日出版のチャネル(流通)戦略

本を市場に流通させるには、いくつかのやり方がありますが、出版業界で一番メインとなるのが、取次を仲介して全国の本屋さんに配本するやり方です。

ただし、取次会社との契約は以前ほど楽ではなく、出版社経験のある社員がいるかなど、審査基準が厳しくなっているとの情報を得ました。

取次を仲介するメリット・デメリット

「以前ほど楽ではない」と言う情報を耳にしたから諦めることはしません。知人に相談し何とか通過させることも考えられますが、いったんメリット・デメリットを整理しました。

メリット
・取次会社から全国の本屋さんに配られることで目に付きやすくなる。
・顧客は手にとって内容を確認した後に購入することができる。
・1社1社、個別に契約するよりも楽

デメリット
・取次に納品して以降は出版社のコントロール外となる
・委託販売形式なので返本がある
・入金のサイクルが遅い

本の商慣習として、取次を仲介して全国に配本し、売れた分だけお金がもらえる仕組みです。そして売れ残ったものは返本されます。返本された本は、本の上下、横を研磨し、表紙カバーを掛け直し、別の本屋さんに配ります。

当然、返本がどのくらい発生するかは未知数ですし、カバーを余分に印刷するのもコストとなります。本の研磨、カバーの掛け直しなどの改装作業にもコストがかかります。

未知数なこと、アンコントローラブルなことも多く、無理して取次との口座を開かず、独自の販売ルートを模索しようと決めました。

Amazonのみで販売する

結果として、初版発行時からしばらくはAmazonで販売することに決めました。本屋さん1社1社まわっても、どれぐらい売れるかわからない本、立ち上げたばかりの出版社が相手にされるのでしょうか?きっと難しいだろうと推測します。 

では、どうすれば売れるのか悩んでいた時に「なんであの本が**万部も売れているんだろうね」と知人に問いかけたところ、「売れている本が売れる仕組みだからね」と極めて納得の行く返答が得られました。きっと書店さんも売れている本を仕入れたいと思うのです。

 特にAmazonで売れれば、別の本を買おうとした場合、「合わせて購入する」が表示されたり、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に表示されたり、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」に表示されるなど、数多く露出されます。その結果、「売れている本が売れる状態」を作り上げているのです。 

そのため、初期の流通に関しては、無理に本屋さんに置いてもらうのではなく、Amazonに集中投下させ、売れ行き・在庫調整・各種SNSでの活動やAmazon広告の効果などを確かめながら、Amazonでの売上を最大化することを目標にしました。

Amazonで売れることで、もしかしたら、本屋さん各社との話が入り込むかもしれないし、営業に行った時にもスムーズにことが進んだり、取次会社さんから連絡がくるかもしれないと淡い期待をいだいています。

何に予算や時間を投下するか

Amazonは【基本的】には返本が発生しません。(実際はあるようですが…)
Amazonでの注文状況に応じて、今後の需要を予測し、必要な分だけ都度注文されるようになっています。そのため、返本に対応するため、カバーを発行部数よりも多く準備する必要もなく、改装作業も必要なく、当初想定した通りに販売計画を進められるのではないかと考えました。時間を営業に費やすよりも、FacebookやTwitterをどう活用するか、広告をどこのメディアに投下するかを検討することに、より多くの時間を費やしています。

おわりに

まだ、この取組みが成功だったのか、失敗だったのかはわかりませんが、少なくとも現在における最適解だったと考えています。他社と同じ土俵で勝負しても負けるだけです。弱者には弱者なりの戦い方があると考え、日々模索しています。

仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜』は、Amazonランキングでも多くのカテゴリで新着1位を獲得するという好調な滑り出しとなりました。なお、2019/7/24の夜にAmazonを見たところ、Amazon全体の書籍で969位という初の3桁順位を取ることもできました。Kindle 有料タイトルの中では、137位でした。
(本記事ははてなブログから以降したもので、当時の情報となります)

状況を見ながら、都度戦略を見直し、より多くの方々へ届くよう、尽力してまいります。


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