マゾヒズム宇宙。

乳房がなる木々を抜ければ、一方通行な無重力がはじまる。電源のオンオフがある訳では無い。乳房を掻き分けて行くのには、それ相応の覚悟がいる。重力と決別をすること。少しの重力で壊れてしまうほどに、身体が脆弱になること。それらを引き受けた君は、くらげになって宇宙へ漂う。脳は壊死して、思考を放棄する。誰もが夢見る無為の世界へ、必要なのは君の覚悟だ。

覚悟がもろければ、無重力はそっぽを向いてしまう。君はひしゃげて、出来の悪いしゃもじになってしまう。少しの怯えも、少しの疑いも、無重力は見抜いてしまう。君がサディストなのか、マゾヒストなのかまで、簡単に見抜いてしまう。

残滓も残らない覚悟を、君が持てることを僕ら期待している。くらげが話す言葉を、僕は口承していきたいんだ。

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