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恋12年。

恋がウイスキーを追い越してしまった。


シーバスリーガル12年。僕はそのラヴェルを見て、過ぎ去った過去に思いを馳せた。フレンチオークから琥珀色が溶け出す間中、君は感じの良いコロポックルみたいにみたいに僕の心に棲み着いていて、僕が抱いた恋心もかつてから熟成されている。この12年がいささか香ばしいものであったから、とても味のある仕上がりになった。

僕はその700mlを、一思いに飲みきってしまうことができる。君が目の前にいたら、きっとそうするだろう。12年という長い歳月は確かに貴重だけれども、それを虚心坦懐に飲みきることに対しての防波堤にはならない。僕と君はもっと早くに再開するべきだったし、会うのにはまだ早すぎた。僕らが置かれている状況は、つねに揺らいでいる。

シーバスリーガル12年をトワイスアップで。物足りないから、僕はカクテルを追加でオーダーする。

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