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バタークリーム・サイネージ。

バターにんげん。僕はバターにんげんだった。かりかりに焼き上がった君に僕はラバの痰みたいにべっちょりとまとわり付いて、溶け始める。シナモンをかけられれば憤怒し、メープルシロップで犯されれば蜂起をして血を辞さない理想を追い求める。死をも辞さないバターにんげんは、非常に冷徹で、それでいて博愛だ。

バターにんげんのクリエイティブが都市に溢れ。ネットワークを占拠する。間違った時代を知覚できるのは、常識が錆びた後世でないと難しくて、命がバターみたいにべっちょりと溶け出すのを見届けることしか僕達にはできない。

たった一秒の見栄が首をはねとばし、たった一日の命を無駄にすれば陽炎に呪い殺される。バターにんげんに生まれたことを憂いても、マーガリン羽虫よりはましだし、テトラヒドロカンナビノールジュエリーフィッシュには一生勝てない。バターが溶け出すのを止められるなら、人生なんて些末なものだ。

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