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琥珀。

琥珀の身体には、血液の代わりにウイスキーが流れている。ウイスキーを口腔摂取することで、琥珀は正常に作動することができる。琥珀のアイデンティティに影響が及ばぬよう、満タンに近いと酩酊に似た知覚を与えている。プロジェクトの目的として、アイデンティティはかなり平均的なモデルを採用している。技術者達は、今日も琥珀の一日を固唾を呑んで見守っている。


朝眼が覚めると、琥珀は一杯のウイスキーを飲む。ウイスキーが喉を伝う感触が、琥珀に現実であることを教えてくれる。琥珀の夢はとても強く、現実の方が置いていかれてしまうことがしばしばあった。微睡まどろみから何とか現実に引き釣り出すために、琥珀には一杯のウイスキーが必要だった。琥珀は毎朝、自身の悪癖に溜息をついてから、公約数的な日常へ溶け込む支度を始めるー


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