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ボタニカル・ハラショー。

詩のない日々が安寧に過ぎてゆく。感慨のようなものはすっかり微分され、そこはかとない喜びのようなものが生活に溢れている。思い出のポストカード、挽きたての豆で淹れられたコーヒー、光合成をするボタニカル・ボトル。幸せは賞味期限が切れたカステラで、気づいた時に食べてしまわないと、すっかり腐ってしまう。

ハラショーは雨後の筍みたいに跋扈している。顔を出してからではアクが強いから、僕たちは優秀なウリボーにならなくてはいけない。土の中に隠れたハラショーは、ツヨンとアニスを内包したキャンディーだ。

ボタニカル・ボトルが倒れて水が零れても、鼻歌交じりで拭けばいい。僕はこの頃、そういうハラショーな生活をしている。


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