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てのひら。

掌に収まるものが好きだった。落ち葉や木の実は、掌いっぱいに愛を送ることも、その全身をきつく握ることもできた。僕が特に愛したのはスズメだった。スズメを両の掌で包み込む時、僕は何にも勝る幸福を感じることができた。その小さな足が僕の指をはむキリリや、命を燃やすあたたかなポワリが、僕の心を掴んで離さなかった。

その一方で、僕は他人の手が嫌いだった。他人の手の感触は、生肉には近すぎるし、骨には遠すぎた。そのどちらとも言うことができないジュチョリは、しばしば僕の背筋に冷や汗を通らせた。僕はスズメを慈しむ掌と、他人の手を厭悪する掌が、どちらも同じ自分の掌だとは思えなかった。掌は僕が預かり知らぬところで変貌を遂げているに違いない。それは僕を苦しめる大きな悩みだった。

ただ、スズメを慈しんでいたい。僕の掌にはきつも米粒がへばりついている。

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