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パンセモ。

一七九(モ113/ペ69)

人生の形容詞として、歯車はしばしば濫用される。好転することを、歯車がカチリと噛み合うと、不運が襲ってくることを、歯車が狂うと。歯車はまるで人生そのものみたいに語られる。つまり、あなたの人生と何かもう一つの外的な要因が存在していると。 

しかし、人生というのはまったく一つのもので、それは歯車ではなくねじ巻きである。あなたは、巻く/巻かないで区切られ、その上に巻くことを躊躇う時期というものが存在する。ねじを巻くことはとても勇気が必要だ。(それはその瞬間に、動き出してしまうことを意味するから)だから、人生の主を占めるのは巻くことを躊躇う時期である。もちろん、躊躇う時期にはリミットがある。ねじは巻かないと錆が溜まっていき、ついには巻くことが叶わなくなる。

もしあなたが(といっても、ほとんどの人がその状況下にある)ねじ巻きを躊躇っているのなら、勇気をもって巻く方がいい。巻くこと以外に錆を落とす方法はないし、あなたはたった一つの人生を動かした方がいいに決まっているのだ。

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