「鬼」という設定と SDGs
古くは「狐憑き」という手法で、人の往来を減らして、税の取り立てをしやすくした
この村を出ると「きつね」に憑かれる、その畏れから村上外れの境界は越えなくなる、という仕組みだ
伏目伏目の境界に置かれたのが「稲荷神社」
お稲荷さん、とはつまり狐のことだ
1300年以上も前から「あの島に入ると祟られる」という言い伝えが護られ、未だに未開発の湾がある
開発価値のあるそれなりな都会にも関わらずだ
入ると祟られるという島は、兵庫県の坂越湾という湾の真ん中にあり、そこには1300年前に怨霊となった秦河勝という当時の豪族が封印され祀られている、らしい
西洋であれば、吸血鬼にオオカミ男に始まり、ゾンビにミイラに
最近の日本だと鬼滅の刃、ウイルスをモチーフとしたものであれば、バイオハザード
ハリウッドで映画化された「バイオハザード)はもともと日本が開発したゲームがベースになっていることは意外と知られていない
「喰種」と書いて「ぐーる」と読むマンガも好きだったし、個人的には言語感覚がそれこそ人智を超越している言葉遊びの匠である西尾維新さんによる「化物語」がイチオシ
進撃の巨人もある意味「鬼モノ」だ
彼らはなぜ「鬼」にならなければならなかったのだろうか?
ほとんどの婆がもともとは人間だったという点もおもしろい
環境デザイナーの観点から行くと例えばこんな設定がある
塀の向こうから、鋭い爪を持つ大きく長い手が伸びてくる
なんとかその隙間を掻い潜り、建物の中に逃げ込んだ
ひとりの青年が立ち上がり、突如として背中から羽のようなものを生やし始めた
周りが必死に止める
人間と鬼の狭間で揺れるその青年は、どうやら鬼のチカラも使えるらしい
「ノブ、やめろ!余計に厄介なことになるってまだわからないのか?」
鬼に変化することで、塀の向こうにいる鬼に対抗することはできる
が、変身時に体温が異常に上昇するのと、結局は、鬼たちとの戦うために、さらに厄介なもっとレベルの高い「幹部」と呼ばれる鬼たちが
変な話だが「鬼退治」に来てしまう
鬼たちは鬼たちで、自分たちの生命を脅かす存在は厄介だからだ
制止も虚しく、怒りに任せたノブと呼ばれていた青年は、窓から飛び出していった。羽を使いまさに「飛び」だしていったのである
口から閃光のような火を放つのがみえる
塀の外の鬼たちは静かになった、死に絶えたか、退却したか、建物の中からは計り知ることができない
音もなくひとりの男がそこに立っていた
案の定「幹部」と呼ばれる、さらに厄介な鬼が現れた
鬼とは言っても、塀の外で暴れていた図体のデカい鬼たちとは違い、見た目は我々と変わらない人間の姿であり
ともすれば、ちゃんとスーツを着こなすスマートで洗練された佇まいからは品格さえ感じる
「ヤツの匂いがするね」
真っ先に、ノブの最愛の女性が狙われた
慌てて戻ってきたノブの前で、可能な限りの惨殺をしてみせる
逆上するノブ
狙いはそこにある。怒りにまかせて我を忘れれば、完全に鬼と化し、敵味方見境なく暴れまわるか、ある種の悟りのようなものを開く
鬼と呼ばれる連中と、テレパシーのようなもので意思疎通して、我々人類を、まるで牛か豚かのごとく「家畜」つまりはあくまで「食料品」としての認識するようになる
それには感情を頂点まで昂らせるのが手っ取りばやいらしい
そうなると、もはや我々は、少しでも遠くに逃げるしかない、どっちに転んでも、我々に生き延びる選択肢はなく
極たまに…少なくとも私は知らないし、見たこともない、伝聞のまた伝聞のような話だが、幹部レベル、いやそれ以上の鬼の能力を手に入れたままに、ヒトとしての理性を保ち続ける場合もあるという
そもそもこの状況における「理性」とはなんなのだろうか
ことの起こりは、気候変動による異常気象と、地殻変動による災害、
そして極め付けは衛生環境が悪くなり、しかも、そういった免疫力が退化してしまっていた人類にあらゆる疫病が蔓延した中で
人類の食糧が不足したことに始まる
そこで人類の生存本能は、ある種の進化を遂げることになる
人類を食糧として生き延びる種族の誕生
何より特筆すべきは、食人した人類が、天変地異でも生きることができる強い免疫力と驚異的な能力を発揮する強靭な肉体を得たことだ
食人することがキッカケだったのか、そもそものそんなことをしなくても進化できたのか
様々な形態変化や進化を経て、人類は「家畜」と「鬼」に分かれた
この建物は「家畜」である人類の飼育小屋である
家畜である人類とは、もはやなんなのだろう
どうせなら、ヒトとしての思考能力を退化させ、それこそ「理性」なんてものは失ってしまえればよかったものを
鬼たちは、我々を家畜として扱い、ちゃんと管理して、生存戦略としての食糧基盤をつくり上げている
もはや「鬼」こそが「人類」そのものであり、彼らには彼らの世界があり、生活であり営みがあるのであろう
あくまで推測の域はでない
私はここで生まれ、ここで育った
何より私の役割は、番犬そのもの
放牧された家畜たちを束ねる番犬
この施設の看守ともいうべき役割
鬼でもない、人類でもない
なぜか私はその「幹部」たちからも一目置かれており…
という具合
「私」こと番犬さんは、きっとその伝聞の伝聞でしか聞いたことのない、存在するかしないか定かではないとされる、完全に鬼化したのに、人類を家畜だと認識しなかった
鬼よりも上の至高の存在…物語は続く
森には魔女がいて子供を釜茹でにして食べてしまうよ
でもそこには「お菓子の家」があって、逆に魔女を退治してしまうかもしれない
そんな子供が主人公の童話もある
ヤンデルとグレテル…もとい「ヘンゼルとグレーテル」でしたね
本日もご拝読感謝🙏
久しぶりに「東京喰種(ぐーる)」が読みたくなりました。ご一緒にいかがです?☟
って、このマンガも捨てがたい…気分的にはこっちが正解かも☟
うーん…この流れだとやっぱこれか…?!☟
ううう…全部読み返したい…徹マン喫かな…こりゃ…
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