安楽死でしか人間救われない。しかしそれは絶対に達成されない。

人の幸せは相対的だ。絶対的ではない。人は隣の人間より少し美味しいものを食べ、少し良い家に住み、少し良い異性を抱きたいのだ。

外的な脅威である生物がいないと仮定した、人間間の関係に於いて、自分より下の人間がいることよりも幸福、愉悦、安心すべてを感じるものはない。

だから強者は革命をしない。なおかつ「強者」という存在は、その傲慢な性格の上にしか成り立たない。強者になる資格を持っていても本当の意味での平和を望む者や他者の幸福を願うものは、必然的にその方向に向かう。自分が力を持っていることをよしとせず、自らを弱体化させる。
端的に言うと、範馬勇次郎。彼は「世界一強い」というその能力があるからその存在を示しているのではなく、「世界一傲慢で、自身が他者を苦しめていることを意にも介さないくそ野郎な性格」だからこそ彼は成り立っている。

だから強者は意図的に安楽死を認めない。それが総人類の幸福になるものでも、絶対に認めない。

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