最初で最後の人生リセット
ずっと、引っ越しをしようと考えていた。一年以上前から。
一度、全てをリセットして。
心機一転と言えば聞こえは良いけど。
今あるものを投げ出す訳だから、結果としてはマイナス。
今より状況が良くなるか悪くなるかで言えば、多分悪くなる。
でも今あるものにしがみついて結果としてくだらない時間を過ごすのは、同じかそれ以上の大きなマイナスな気がする。
どっちに転んでもマイナス。
どうせ長くは生きられない。
希死念慮は年々強まっていくばかりで、年々頭の感覚がズレていくのが分かる。
部屋には安楽死できる道具が常に視界に入る場所にある。
大学生の時に自殺に失敗したときから、ずっと同じ場所に。
一種の精神安定剤かな。
自殺に失敗した人の自殺の再発率はかなり高いらしい。
そりゃそうだよな。
自分もいずれそうなる。
ならコイントスのコインを投げてみるのも悪くないんじゃないか。
表が凶で裏が大凶。
どうせ死ぬ最低でも一年前には、自分を知る人の前から姿を消すつもりでいた。
その方が自分が死んだとき、嫌な思いをしなくても済むから。
とりあえず、誕生日に中断してしまった旅行の続きをしようかな。
二年前に見た明石海峡大橋をもう一度生で見たい。
あそこは風が常に吹く。ほどほどに冷たくて気持ちが良い。
水が好きな自分にとって潮の香りが落ち着く。
夕暮れが良い。夕陽と橋と海が折り重なるあの光景は美しかった。
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