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衝撃的だったハーモニー・コリンとラリー・クラークの映画

 1995年に公開された「KIDS」この映画の監督がラリー・クラーク、脚本がハーモニー・コリン
この時代はエイズが流行、そんななかセックスや薬物に依存し快楽を求めているニューヨーク市の10代の若者を描いている映画
 鑑賞後はアメリカの若者ってこんななの?大丈夫?って思ったのと同時に、よくこんな等身大の映画が作れたなと思って2人を記憶に留めた。アメリカ国内でもR18が指定されたことを見るとみんなが楽しめる映画ではなかったことが分かりますね
 処女とセックスすることだけが生きがいのテリーとその頭のおかしな相棒のキャスパー そのテリーと関係を持ちエイズに感染してしまったジニー この3人のストリートキッズの1日を追ったドキュメンタリーにも見える映画 

kids

 この映画で好きになったのがクロエ・セヴィニー 劇中のクロエはとてもキュート(キャメロン・ディアスにどことなく似ている)ハーモニーの彼女でもあり衣装なども手掛けるお洒落で多彩な女優 金髪のショートカットがカッコよかったし、演技も自然で良かった。歳を重ね今も素敵な女性だ。残念なのは数年後2名の俳優がドラッグと自ら命を絶っている事
 現在、日本でもストリートキッズのような生活をしている若者が沢山いる。民間団体などが助けたりしているけど大人が無関心なのが一番問題と私は思う(ちょっと横道にそれた。。。)
 素人集団のような映画だけど、演技とかカット割りとか個人的には好きなので気になった方はご覧あれ

  そして1997年に公開された「GUMMO」監督と脚本両方をハーモニーが手掛けた。もうファンになっていたから待っていましたと言わんばかりに観に行きましたね。この映画は内容よりも映像の印象が強く残りました。
 舞台は、竜巻の被害を受けたアメリカ中西部町のジーニア(実在する)で生活するティーンエイジャー達の退屈な日常を描いている、これまたドキュメンタリー的な映画

GUMMO

 竜巻のあとの町、犬が屋根のテレビアンテナに突き刺さっている。ピンクのうさぎの帽子を被っている上半身裸の少年が、高速道路の高架上に佇んで走る車に唾を吐きかける。母親が埃まみれのシャンプーで息子の髪の毛を洗っている、バスタブには泥まみれの水。夏の嵐のなか、校庭のプールで少年と少女2人が抱き合い意味もなくキスをしている
 この映画にはハーモニー・コリンにたっての希望で撮影をジャン・イヴ・エスコフィエがあたっている。ジャンは「ポンヌフの恋人」「グットウィルハンティング」「ゴジラ」の制作を担当した人。道理で映像が流れるようで印象に残ったんだ。そして、この映画でもクロエが衣裳を担当していたので時代に合ったいい感じの服になっていたね。
 アメリカも自然災害が多く発生しています。最近ではマウイ島の山火事、過去には大きなハリケーンもありました。この映画はそんなソースを取り入れながらも、そこに住む人たちを違う視点で表現していて印象深い映画になりました

  翌年1998年にラリー・クラーク監督映画「Another day in paradise」が公開 脚本はクリストファー・ランドン

アナザー・デイ・イン・パラダイス

  16歳のボビーはドラッグ中毒で泥棒 愛しているのはロージーだけ 泥棒に入った大学で警備員に袋だたきにされる。その彼を治療したのは友達のおじさん そのおじさんに儲け話を持ちかけられその話にのる。徐々に犯罪に手を染めていくボビー、パラダイスを夢見る2人だが話はハッピーエンドではない。自業自得なのだけど、やはり若者を手玉にとり高みの見物的な大人がいるのが我慢できない。その一人を演じているのがメラニー・グリフィス はまり役だったと個人的には思う
 主役のボビーを演じたビンセント・カーシーザーは今も俳優をしているが、TVドラマが主なので最近はあまり目にすることがないですね。相手役のロージーはナターシャ・グレッグソン・ワグナーが演じている。知っていますか?彼女は伝説の女優ナタリー・ウッドの娘で今も当時の雰囲気がありますよ。顔もよく似ている。ナタリー・ウッドが伝説と言われるのには大作に出演していることもあるけど、43歳の若さで謎の死を遂げているのからそう言われている。

LARRY CLARK 80歳

 ラリー・クラークが有名になったのは写真家として出版した「タルサ」という写真集 この写真集がフランシス・F・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ガス・ヴァン・サントに多大な影響を与えた
ドラッグ、ストリートカルチャーの象徴的存在として一躍有名になった後に先に述べた映画を製作した。10代の若者のリアルを撮り、社会に知らしめたと言っても過言ではない。
 この写真集は見たことがないので本屋に行って探してみようかなと思う。きっと今に通じるものがあるかも知れない。私は写真も結構好きで、写真展には足を運ぶので。

こちらがハーモニー・コリン ↓

Harmony Korine 50歳

ちょっと引っ掛かった人は2人の作品に触れてみて下さい。個性的で面白く心に何か残るかも知れません。

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