★完結🎵連載小説★プロレスガールがビジネスヒロイン? 第二十五章 エピローグ <入社7年目夏>
この先(エピローグ)見る前に、必ず、本編最終章の第二十四章後編をご覧くださいね♪
トップ絵は主人公のミナミ(^^♪最後ですもんね。少し、成長した雰囲気のミナミですよ~🎵
エピローグ
第133話 SJWの足跡
ラスベガスのホテルの一室で、烏山がPCで記事を書いていた。
題名は『日本女子プロレスの革命児、女子プロレス団体SJWの足跡』だ。
①ランキング制度に続きAIシステム導入
②全日本チャンピオンシップトーナメントの開催を主導
・初代ヘヴィ級チャンピオンはSJW所属アラタ選手
・初代ジュニア級チャンピオンはSJW所属ミナミ選手
③翌年、4チームによるプロレスリーグを設立を主導
・4社合同設立によるコミッショナー合弁会社をSJW主導で設立
(M&Aアドバイザーも導入し、掟破りの早期設立を実現)
・年間60興行
・初代リーグ優勝はSJWのライバル団体DIVAが奪取
④その翌年となる昨年、二代目リーグ優勝を勝ち取ったのはSJW
……書きながらここ数年を振り返る。
(大沢さんとミナミちゃんのコンビはバケモンだな。AIシステムを筆頭に、まさかプロリーグまで作っちゃうなんて。業界が完全に進化したんだから、すごいことだよ)
すると、その記事を横から覗き見した後輩記者が興奮気味に語り掛ける。
「いやー、ほんとにすごかったっすよね。昨日のミナミとツツジ」
「……そうだな」
「さすがツツジは赤いベルト保持者。でも、ミナミのフィニッシュは圧巻でしたね。ツツジに勝って白いベルトを巻いた実力者の貫禄。いやーすごかったです。知ってますか?この二人、もともとはSJWで同期だったらしいですよ」
烏山は苦笑いするしかない。
(誰よりも先に、ミナミを見出して特集記事を書いたのはおれだぜ。知ってるに決まっているだろ)
当時を思い出し、ふっと笑う。
サクラやアキラにしごかれて、ぐえっとかうがっとか言っていたあのミナミが、今ではSJWのツートップの一人になって、世界に飛び出したのだ。
「あ、そろそろ式の時間ですよ。早く行きましょう」
「おお。これを日本に送ったらすぐ出るぞ」
烏丸は最後に数行追記すると、送信ボタンを押した。
『⑤そして今年9月。全米タッグ王者とAIシステムを使った真剣勝負。
SJWのツツジ・ミナミ組が、日本団体初のラスベガス球体型複合アリーナ『スフィア』興行にて、全米トップタッグを撃破』
第134話 青空
夏のラスベガスの青く眩しい空。
町中の小さな教会。
集まった参列者が二列に分かれて扉が開くのを待っている。
みんな、手に籠を持っていた。
そこに、初老の紳士がタクシーを降りてくる。
「永山教授。遅いですよ」
タマちゃんが籠を手渡す。
「公演が長引いてな。でも、フラワーシャワーには間に合ったようだね」
永山はミナミたちのゼミの恩師だった。
「堀之内君、会計事務所独立したんだって?おめでとう」
堀之内は頭を掻く。
「稲田君はコンサル辞めて商社に行ったって?コンサルの方が向いていたと思うぞ?」
みんなが笑う。
「タマちゃんは、M&Aブティックに転職して活躍しているようだね」
「はい。ミナミたちの仕事も手伝いたかったので。初年度からコミッショナー合弁会社のFA(財務アドバイサー)を受注できたから、会社も喜んでくれました」
ガッツポーズを見せる。
「で、橋本君は、今をときめくユニコーン企業のCEOだな。大学でも有名だ」
「おかげさまで。まあ、これもミナミとの仕事のおかげです」
橋本は恐縮する。
スポーツテックAIスコアリング技術は、プロレス以外のスポーツにも効果を発揮し、橋本の会社の評価額は当時の15倍を超える成長を見せていた。
「平はここまで大成したか。当時はレスラーになると聞いてショックだったけど、さすがだな」
「先生、もう平じゃなくて大沢ミナミですよ」
すると、ミナミの入場曲が流れ、教会の扉が開いた。
花吹雪を浴びながら列の間を歩くミナミと大沢。
「本当に幸せそうね」
「そうだな」
「……辛いなら、私が慰めてあげるわよ」
橋本の回答に、タマちゃんはフラワーを投げる手を止める。
「……じゃあ、買収案件相談からよろしく」
タマちゃんはあきれて溜息をつく。
「また、ビジネスパートナーで終わる気なの?」
「まあ、そうならないように頑張るよ」
二人とも苦笑い。
「そこの二人。今からブーケ投げるから集中してよね。特にタマちゃんよ」
「え?何よそれ?」
会場のみんなが大笑いする中、ミナミがブーケを青い空に向かって放り投げた。
そして、ミナミは大沢に笑顔を向ける。
(……ねえ、全米進出達成した後、今度はどんな夢を見に行きます?)
(そうだな。女子プロレスをオリンピック正式競技にしたいと思うんだけど、一緒にやってくれるか?)
(うわっ、相変わらず壮大ですね……もちろんご一緒します)
ブーケは横に一回転した後くるくると前転し、タマちゃんの胸をめがけて飛んでいった。
完
おまけ(年表完全版)
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