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LGBTのこと

土曜日の雨の午後ということもありLGBTの勉強会に参加した。
なんで土曜日の雨の午後なら勉強会参加やねん!?という理由は誰も興味ないだろうから先に進む。
今回はLGBT@当該の方が講師ということもありすこぶる楽しみにしていた
机上で分かったふりをする講師は面白くない。やっぱりハードな経験を積み重ねた当該から滲み出る空気感が好きなのだ。
話をききながら予想通りワクワクした。かなりエキサイティングな感じ。土曜日の雨の午後にこんな時間がすごせて丸儲けなのである。
とりあえずはボクのここまでのLGBTの知識をカミングアウトすると、LGBTとは、L:レズビアン、G:ゲイ、B:バイ・セクシャル、T:トランスジェンダーという呼び名の頭文字であること、性的マイノリティとして社会的被差別の人々をLGBTとくくっていること。もう一歩進んでLGBTと括られるのもの抵抗がある当該もいるということ、ぐらいかな。つまりはいかにもざっくりしたイメージのみだったわけだ。
ボクにとってはLGBTを含め全ての人が特別な存在であり、つまり裏返せば誰も特別な存在ではないよなぁ~ってことがざっくりで思考停止していた理由。
でも結局こんな風に何も解っていないボクのためのような説明を図をつかってしてもらったのは良かったと思っている。知識を得て思索が始まるってこともあるし。
ただねやはり「LGBTの知識が必要であること」の意味は考えてしまうんだけどね。
どんな性傾向であろうとも、特別じゃなく普通という意識さえなくあたりまえであれば、わざわざ分類したりその分類に名前をつける必要もないし、分類を理解する必要さえない。LGBTの知識は必要ない。ということを突き詰めるとこうして勉強したりすることさえ差別的と言えなくもないんだけど、現実的にこの社会で被差別的な位置に人々がいる以上やはり識るということは大切なこととして話をすすめるね。

でLGBTってのは、つまりはね、あれだ、そうなのだ、、ようは、生まれながらの「身体の性」と自らが自分も感じている「心の性」、さらには「恋愛対象の性」の違いによって分類されるというわけ。この拙文を読まれる方はすでにご存知かもしれないが、ボク自身の復習と忘備録のために教えられたことを整理しておこうと思う。

この図で、いわゆる普通と呼ばれる性的マジョリティは、例えば身体が男(女)で生まれて、自覚としても男(女)、恋愛対象が異性である女(男)という③や⑩のパターンだ。とりあえず自分はどうなのかと考えながら男なら青、女なら赤として図を見つめてくれ。これをあらためて考えもしなかったという性的マジョリティも多いかもしれない。(繰り返すけど、ホントは全部があらためて考えなくてもよければいいのにね。)
これに対して性的マイノリティとして、
L:レズビアンは身体が女で心も女、好きになる性が女という⑫。
G:ゲイは身体が男、心も男で好きになる対象も同性の男の①というパターン。
B:バイ・セクシャルってのは身体は男(女)で心も男(女)。恋愛対象が男女に関係なく好きになる②や⑪。どちらもだけど男とか女という性別の認識はしているの。
T:トランスジェンダーは、もって生まれた身体は男(女)だけど、心・自覚が女(男)である④⑤⑥と⑦⑧⑨。とりあえず図にしたがって番号を書いたけど、好きになる対象は問題じゃないの。つまり図でいくと一番下の部分(恋愛対象)が不要なの。ここは強調されていた。好きになる対象が同性でも異性でも両性でもそこは関係なく、心身の性が一致しないということのみがTの分類であるということ。で、よく耳にする性同一性障害というはTのこと。
つまり、LGBは好きになる対象の性を基準に分けているけど、Tは自分の性別が問題で好きになる対象の性は関係ないの。そんなんで、前者LGBは「性指向」とされ、後者Tは「性自認」として少し別の分け方になるんだって。でもまあ「社会の問題」としては、性的マイノリティの差別問題として便宜上まとめてLGBTとしているわけ。
それでね、今回教えてもらったんだけど、LGBTの外にXジェンダーという言われる性という観念がまったくない人、とかアセクシャルといい全く人に恋愛感情をもたないという人もいる(後でネットで調べたら少し違う解説だった)。あと時期によって好きな性が変わるPANセクシャル(揺れる性)という方もいるとのこと。
補足だけど、生まれたときに両性の性器を有したり、両性の性器がなかったりの「性分化疾患」(染色体、生殖腺、解剖学的に性の発達が先天的に非定型的な状態)という人もいる。このあたりが社会的な生きづらさを課題とする問題と同じとして扱うかどうかは議論があるとのこと。

LGBTを説明する図でいけば12通りのパターンだけのように見えるけど、実はX、A、PANもあり、そもそも12タイプの行間にグラデーションがあり、100人いれば100通りの性差があると強調され話されたけど、これはホントそうだよね。
マジョリティのようにみえて、たとえば女子校の生徒がかっこいい女先輩を好きになるなんてのはバイ・セクシャル的だし、ボクも性別を言わずにブログで思索を発信していた頃、複数の読者に「オバサンかと思っていた」と言われたのは、自覚はないものの男女のグラデーションのなかでオバサン風味に少し振れているのかもしれない(自覚が問題なのでこれはどうでもいいのだけど)。こんなふうに性的マジョリティって分類も微妙な差異は無視しているに違いないね。
そんななか③⑩が普通で多数という前提で社会制度や社会認識は動いていて、そうでないマイノリティが生きづらいという事実があることはちゃんと確認しておきたい。

じゃその性的マイノリティ(勉強会の講師はセクシャルマイノリティ:通称「セクマイ」と言っていた)はどのくらいいるかというと、岡山大の2015年の調査で7,8%で、8%の左利きと同じ位いるらしい。
LGBTは先天性なのね。左利きも先天性だから数字的ななんかあるのかもね。でもさ、世間のLGBTはカミングアウトできずに左利きほどの割合と感じられないでしょ、ということを言われた。いまでこそ左利きは市民権を得ているけど、一昔まえは結構な割合で親により矯正させられた。まあ利き手の矯正でも辛かったかもしれないけど訓練で両刀使いになればそれだけのことなんだよね。だけど、性というのは、訓練で変えられるものじゃないことは容易に想像がつくよね。③や⑩の性的マジョリティの人だって、訓練をしてこの先同性に恋愛感情を持ちなさい、といわれても、それは無理ってなるでしょ。マジ後天的な趣味や意識的な指向ではないんだからさ。

LGBTが先天性、後天性って議論でいけば、最近の研究でよりはっきりしてきたとのこと。
人には男脳、女脳ってのがあって脳梁の太さで分かれるらしい。つまり身体男ならそれなりの脳梁の太さ、身体女なら見合った脳梁の太さがあるの。それが生まれつき身体(心)とそれに合った脳梁の太さが違っているからTとして表面化するって研究があるんだって。つまり完全に先天的なもので、生まれてからの努力ではなんともならないもの。だって腹や腕の太さじゃなくて脳梁の太さなんだもの。
それをさ、身体も心も女(男)であるあなたが、社会の常識とされる圧力で明日から男(女)として振る舞いなさい、ってことを最大限想像してみう。服も仕事も公衆トイレも温泉も男として利用しなさい、となったら「生きづらさ」を感じませんか? カミングアウトできないTはそれを日々、強いられているんですよ、という説明がなされた。LGBだと、あなたがあたりまえのように異性を好きになるのを否定されて同性を好きにならなければおかしいというプレッシャーがかかったとしたら・・・という想像をしてみよう。
そう言われてやっと実感する情けなさを自分に感じたが、より「生きづらさ」に納得。

先天的な脳梁の太さはどうしようもないといっても性器の外科手術とかホルモンの投与などは後天的になんとかなる。でもさ、よくよく考えると心に合わせて身体のほうを変えて一致させるのは純粋な本人の思いなのか、社会常識に仕方なくあわせえて「生きづらさ」から逃れるため変えるのか、、、、このあたりもグラデーションがあるんだろうなぁ、、と想像してしまった。
想像はしてしまったけど、そのあたりは個人的な思いなんだよね。他者が土足で踏み込むことじゃない。
やはりマジョリティとして「生きづらく」させていること、カミングアウトが大変なこと、そもそも敢えてカミングアウトなんてしなければならないことを考えていくしかない。
LGBTという理由で現実にイジメがある。イジメられればつらいので、隠匿したくなるのは人情だ。隠匿して抑え込めば精神的に病むし、鬱になったり自殺傾向はやはり高い。LGBT若者の自殺未遂はLGBTじゃない人と比較して6倍というデータである。
イジメといえば、学校では、TのうちMtF(male to female)(身体が男で心が女)はイジメられやすいんだって。ナヨっとしたイメージだからね。逆にFtMはボイッシュで、モテるらしいんだって。これ、FtMで今は心身戸籍ともに男の今回の講師のお言葉ね。もちろん十人十色で全てじゃないんだろうけど。
最近では、お国(文科省)から学校への通達でLGBTの生徒をちゃんと理解して個別対応しろ、とあったので学校では割に理解されやすくなってきている、ってなことも教えてもらいました。
いずれにしろ、そんな社会の現実のなか、特に親に相談できない、ってのが問題なんだよね。
子どもにLGBTだとカミングアウトされたらパニクり、否定したくなる親が多いらしい。
「一時的なものだ」「これは病でいつか治る」「育て方が悪かった」と思い込みたくなる。でも全部違いますから。あくまでも先天性な問題で社会全体の思い込みとの差異が問題なのです。
まあ、たいていの親はそんなことは考えずただ狼狽える。それが見えるLGBTの子は一番わかってほしい親には言えないし、理解されないし、そりゃ精神的にも病み自殺もしたくなりますよ。

学習会では他に「戸籍の性別の変更」のこととか「性転換手術」のことも話されたな。
急いで「戸籍の性変更」や「性転換した」ことを後悔する悲劇なんかの話しもありました。
法的な手続きが必要だけど、いまでは割に簡単に「戸籍の性」も変えられるし、「性転換手術」も受けられるみたいです。まあ「割に簡単」ってのも主観の言葉だからよくわからないのだけど。

容易に18万ぐらいで「玉を落とす」手術できますよ〜とキャンペーンなんかする病院がでてきたなか、物理的な性転換は不可逆でやり直せないから安易に手術なんかしないように、ということと、一旦変更した戸籍の「性」は失敗したと後で思ったからといって元には戻せませんよ(弁護士談)、ということだったので、記録しておきますね。実際に戻れなくて苦しんでいる人はたくさんいるんだって。

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