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ほんタメ文学賞!!【伏線を回収しないミステリ!?】

皆さんは『ほんタメ』というYouTubeチャンネルをご存知でしょうか?

読書の面白さを楽しく紹介してくれる素晴らしいチャンネルなのですが、先日、その『ほんタメ』が第7回ほんタメ文学賞を発表しました。

芥川賞や直木賞、本屋大賞など本には数多くの賞がありますが、流行りにガッツリ乗っかる読書も面白いですよ!

今回は『ほんタメ』とほんタメ文学賞に関する小説を2作品ご紹介します!


『ほんタメ』とは

『ほんタメ』は本や読書の面白さを楽しく紹介するYouTubeチャンネル。(2024.8.31現在 チャンネル登録者数 12.2万人)

○ほんタメMC

・齋藤明里(あかりん)
舞台を中心に映画やドラマ、テレビ番組で活躍中の俳優。

・ヨビノリたくみ
YouTubeチャンネル【 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 】で、主に数学や物理の解説動画を配信中のYouTuber。チャンネル登録者数100万人。

お二人とも本業で忙しいにも関わらず、読書愛が凄まじいです(笑)


○ほんタメ文学賞

MCのあかりんさんとたくみさん各々が、半年ごとに、発売された書籍から候補作品を3冊選出し、その中から1冊ずつ大賞を決定します。
第7回は2024年1〜6月が対象。

対象書店では、特設コーナーが設けられ、特別ノベルティがもらえます。
詳しい候補作品についてはYouTubeをご覧ください。

書店では早速特設コーナーが!


今回は、たくみ部門の大賞『ぼくらは回収しない』と候補作品『イデアの再臨』を読みましたので簡単にご紹介します!(ネタバレ無)
どちらもミステリー小説です。

ぼくらは回収しない【たくみ部門大賞】

右のしおりは特別ノベルティの『ほんタメ』しおりです!

○著者

真門浩平
・今年3月に東京大学大学院を修了したばかりの若手作家
・中学時代から「ミステリーズ!新人賞」への応募を始める
・第19回ミステリーズ!新人賞(現在は「創元ミステリ短編賞」)を受賞

○あらすじ

SNSコメント欄、蛙化現象、HSP、AIなど、現実でも最近聴くことが多い言葉がテーマになっている5編の短編集。
登場人物は、中学生、高校生、大学生など若者が多く、ミステリ小説のみならず青春小説としての一面も併せ持つ。

街頭インタビュー(中学生)
カエル殺し(芸人)
追想の家(浪人生)
速水士郎を追いかけて(高校生)
ルナティック・レトリーバー(大学生)
※カッコ内は物語の主要人物

○感想

・ミステリの内容も然ることながら、メッセージ性が強い犯人の動機、解決に至るまでの心情に含まれるメッセージには感銘を受けざるを得ない。

・「確かにそう言うことあるよな」、「私も同じ境遇なら、ついついそう考えてしまっていたかもしれない」、「こういう風に考えればもう少し楽に生きていけるかも」といった具合に、自分の中に染み込んでくるものが、各編それぞれにあった。

「伏線」は小説のみならず、色々なコンテンツで使われる。ましてやミステリはその典型的な代表例であるが、その「伏線」そのものについて考えさせられることなんてこれまで無かったので、衝撃的だった。
この本のタイトルである「ぼくらは回収しない」という言葉の真意をぜひ味わってほしい。
もちろん、「伏線を回収しないミステリ小説なんだろうな~」ていうそんな甘いものではない。

・ミステリ要素よりも、むしろメッセージ性の方が個人的にはインパクトがあった。そのため、ミステリ好きやミステリに限らず小説が好きな人はもちろん、本から学びを得たい人、自分の価値観や人生に影響を与えてもらいたい人にもぜひ読んでほしい。

・文章も難しい表現は多くなく、テーマもSNSコメント欄、蛙化現象、HSP、AIなど現実でも最近聴くことが多い言葉を扱っているので、普段読書をしない方も読みやすい。

・個人的には、お笑い芸人、サッカー、将棋など自分に興味のある分野が小説の中に登場して、「分かるわあ」と共感できる部分が多く、読んでいてテンションが上がった(笑)


イデアの再臨【たくみ部門候補作品】

○著者

五条紀夫

○あらすじ

犯人は■■を消す!? 
〈読めばわかる!〉電子書籍化・映像化、絶対不可能!?
究極の “メタ”学園ミステリー!

帯に書かれている内容を引用させていただきます。
煽ってきますねー(笑)
これ以上のあらすじはあえて触れません……

○感想

・読書って、ついにここまで来たのかと。こんなことまで出来るのかー。思いついたら勝ちである。

・「電子書籍化・映像化不可能!?」と掲げる本は、たまに見かけるが、これは「著者からの挑戦」と見て取れる。
 なぜなら、このような謳い文句があれば誰だって、「どんな仕掛けがあるんだろう?」と、注意深く読み進めるはずであり、ヒントにもなる。
 しかし、そのヒントがあってもなお、「著者の想像力を読者が超えられるはずが無い」という自信があるからこそ、この謳い文句を出すのである。
つまり、「著者と読者の想像力の勝負」とも言える。私は完敗でした……

・「新しい読書体験」を掲げる本はこれまでもいくつか読んだことあるが、衝撃度合いでは結構別格かも。

・校正めちゃくちゃ大変そう(笑)


以上です!
このような「○○大賞」という作品をタイムリーに読むのも、自分がイベントに参加している感じがして楽しいです。
ほんタメ文学賞には他にも候補作品がありますので、そちらも読んでみたいです。
皆さんも気になる本があれば、書店へ足を運び、ぜひ読んでみてください!

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