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コンビニ人間(普通とは?)

〇著者

 村田 沙耶香

〇ジャンル

 小説
 第155回芥川賞受賞作

〇感想

・文量が多くなく、さらさら読める。話題も「コンビニ」という誰もが使用する場所であるにも関わらず、考えさせられることも多く、読んだ後の満足感も大きい。


・皆が思う「普通」に合わせることが正解であるのか、正解だとしても従いたくない、誤りだとしても従った方が楽、「普通」ってそもそもなんだ、等々考えさせられる。


・主人公は生活自体、コンビニが中心となっており、人間であるよりも以前にコンビニ店員であるという、一見すると異常者である。しかし、主人公のようになりたいとは思わない反面、実は少し羨ましいという気持ちも微かにある。


・最後のシーンで主人公が、世間の普通やマニュアルではなく、自分の意志で感じて発した言葉に感動した。


・安直だが、白羽のセリフにどうしてもイライラしてしまうことが幾度かあった。


・読書をしたいが、何を読めばいいか分からない時は、とりあえず有名どころ(○○賞受賞など)を読めば結構アタリであることが多い。(有名どころということはそれなりの理由があるはずなので)

〇印象に残った文章

・コンビニ店員のマニュアルと同じように「人間としての」マニュアル

・コンビニ店員として世界の歯車、正常な人間になることを感じる

・上手に人間ができる

・体内の水が変わるのと同じように、取りこむ世界が変わる

・普通ではない人間を排除するのが好きな普通の人間

・多様性と同調圧力



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