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【書評】こじらせ男子のトリセツ 太宰治著『人間失格』

おこんにちは!
よだかえです。

なにげにライターなのですが、文章と同じくらい画像検索が得意なので、この書評でもフリー画像からのハイセンス写真を取り入れつつ、進めていきたいと思いますっ。

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『人間失格』の世間的評価について

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今回のテーマは【小説】ということで、太宰治の『人間失格』をチョイス。



この本、中学校の推薦図書とか読書感想文の題材とか高校入試の問題とか、お勉強がらみで使われることが多いので、“知らない人はいない”くらい有名だと思います。


一方、実際に読んだ人からは、「意味不明」「言葉が固くて古い」「メンタルが暗くてシンドイ」というような感想を持たれ、広く愛されている感が全くないのは事実。(ですよね?!)

コアなファンが一部にいるだけでマス受けしている印象は皆無。(ですよね?! )

正直なところ、なぜこんな“社会不適合者のための本”“社会の縮図である学校”が推してくるのかに、疑問は残ります…

が、そこじゃない部分において、勧めたい理由があるのでしょうね。(きっと)

とはいえ、学校教育の意図はこの書評の論点ではありません。


私の目的は、「意味不明」「言葉が固くて古い」「メンタルが暗くてシンドイ」というようなネガティブな感想を持ったあなたにこそ、この小説の新しい解釈を届けること。

ずばり、今回のテーマは

『人間失格』を【こじらせ男子のトリセツ】として読もう!!


(ちなみに【取扱説明書】で画像検索したらこちらがヒット。ほぼ矢印。)



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こじらせ男子という生き物

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何を隠そう、私はこの『人間失格』という小説を30回くらい通読し、そのうちの3回に1回は精読し、ところどころ暗記しましたからね。

(そのくらい好きってことが言いたいだけ)

そんな私がオススメする読み方に間違いないでしょう。

(すごい読みまくったことが伝わるでしょうか、このボロボロ)


はい。
【こじらせ男子のトリセツ】ということですが、
この場合の“こじらせ”の定義は、“メンヘラ”とか“情緒不安定”とか“困ったちゃん”とか、”とにかく面倒な人”とします。


小説の主人公は葉蔵という男性で、太宰自身の投影で、自伝的小説と言われておりまして、スタイルとしては葉蔵が己の人生を振り返る手記です。

人間の表面的な行動よりも、その深層心理にフォーカスしており、葉蔵から観た人間社会の実態を考察しつつ、それに対する自分のメンタルを分析するといったイメージ。


まぁ、色々と細かく説明するより、葉蔵の特徴を挙げれば、彼の面倒臭さと、あらすじが伝わると思いますので、列挙していきますね。



・神経質(潔癖症という意味ではない)
・不安傾向が強い
・思い込みが激しい
 =ガラスのハート(中2病的なやつか)

・本音と建前という文化に恐怖を抱く(表面的に良い顔をして、陰で悪口を言っている世間の風潮にビビる)
・嘘をついていながら、嘘をついている自分に何の疑いも持たないでいられるような世間の精神が理解できず殻にこもる
 =人間不信・社会不適応

・それでも、周りに溶け込むために道化を演じる
・空気を読み、自分を殺し、相手に合わせる
 =過剰適応による病みメンタル

・すぐに女に頼る
・すぐに女を使う
・そのくせ、“女に甘えてあげている”という上から目線
・そして、時々は女に甘味を与え、女の単純さにあきれる(飴とムチか)
 =しかし、あながち間違っていない
・何かっちゃぁヒモになろうとする
・そのくせプライドが高くて養おうともする
=こじらせている

・選民意識が強い(自分は特別な選ばれし人間であり、高尚な自分の悩みなど、誰も理解できないだろう的なバリアを張る)
・そのくせに孤独に悩む(誰も自分を理解してくれないよ~、誰か慰めて~的な弱さをアピールする)
 =こじらせている

・すぐに約束しちゃう(無駄に期待させたがる)
・そのくせ守れない(無駄に自分に甘い)
・できない自分に絶望する(無駄に自分に厳しい)
 =無駄が多い

・死に対する沸点が低い(すぐに死にたくなっちゃう)
・生きたいか死にたいかの二者択一で、思想が極端(all or nothingってやつ)
 =病メンタルの神メンヘラ


(ちなみに【メンヘラ】で検索したらこの天使。確かにちょっと辛そう)



葉蔵の特徴に関しては、こんな感じです。
だいたいご理解いただけましたでしょうか。

そうなのです。
程度の差こそあれ、こんな困ったちゃん、世の中にウヨウヨいると思いませんか??(いますよね??)


葉蔵って、太宰って、人間失格って、普通なのです。

つまり、普通に“ちょっと痛い”人、普通に“こじらせた”状態なだけ。

ただ、本人に「自分は普通じゃない」「自分は特別な人間なのだ」という【選民意識】があるから、ややこしいわけですね。


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【こじらせ男子】のトリセツ①

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ということで、葉蔵の【こじらせ男子】っぷりが周知されたところで、こういう男子をどうやって取り扱えば良いかという【トリセツ】に話題を移しましょう。


ずばり、放っておこう


こじらせている人って、実はタフですよ。
自分の内側にこれだけの矛盾を抱えながら生きるって、単純にすごいエネルギーが必要だから。そして、死にたくなっちゃうくらい消耗してるのに、理想の自分と現実の自分のギャップを絶対に受け入れないという不屈の精神・クソ意地の強さ。

ザ・ナルシズム!!!


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【こじらせ男子】のトリセツ② 放っておけない女性たち

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実際、『人間失格』の中でもたくさんの女性が葉蔵を援助します。

葉蔵は美男子らしく、多くの女性が彼に好意を持ち、彼の【飴とムチ作戦】に引っかかります。(女性の母性本能を刺激して甘えるわけ)

葉蔵はその好意をまんまと利用しながら、利用している自分に嫌悪するという【一人カラオケ状態】なわけですよ。
しかし、経済的にも精神的にも一人では生きられず、頼る相手を変えては、得意の【甘味】を与えてご機嫌を取り、依存的な生き方に苦悩しては、死にたくなっちゃう【一人カラオケ状態】

実際、『人間失格』のストーリーを抽象化すると、【一人カラオケ】だと言えなくもないのですが、この状況を支えいているのが、実は放っておけない女性の存在なのですよね。

歌っているのも、聴いているのも、感動しているのも、感動させているのも、響いているのも、響かせているのも、全部自分だけという状況は女性の援助あってこそ。




はい。

このように、【一人カラオケ】の自己陶酔に浸って、自己憐憫に憂うのも“ナルシズムの一環”だと推測されますので、放っておけない女性の優しさもわかりますが、そこは割り切って放っておきましょう。

それもまた愛ー。



(【ナルシズム】で検索したらこちらの男性がヒット → やはり放っておくのが得策だということがわかるはず)


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【こじらせ男子】のトリセツ③ 愛のある対応とは

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はい。

放っておくのがベストだとしても、愛するがゆえに彼の不安定さに振り回される可能性はあります。

実際、『人間失格』でも、周りの女性はかなり影響されていますね。

こうなると心中以外に救われる道はないというシンドイ進路が待っていますので、特に愛する相手が【こじらせ男子】だった場合には、こちらは徹底して距離を保つことがマスト。

そんな女子の心構えはずばり、

飽くまで他人として焦らず見守ること


安易に自己開示を迫ったり、彼のメンタルを健康にしようと啓蒙しようとしたり、正義感に燃えたりすると、かえって彼のプライドを傷付けますし、ウザがられますからね。

【こじれたまま生きる】ということも選択肢の一つかなぁくらいの【大きな器】で、【こじれた男子】をそのまま愛してあげましょう!!

「なんでそこまでしないといけないの!!」という女子はまっとうな判断力をお持ちですから、とっととお別れしましょう。


(最近買い直した『人間失格』は表紙がポップに)



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【こじらせ男子】のトリセツ④ ~だってメンヘラだもの~

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はい。

【こじらせ男子】だなんだと揶揄したり偉そうなことを言ったりしている私ですが、実は太宰に耽溺し、「太宰だけは私の気持ちをわかってくれる」と自分の殻に閉じこもる“こじらせ女子”でした。


今でこそ、メンヘラ自体をコントロールして安定した心をゲットしていますが、人間を「メンヘラグループ」と「メンタル健康的過ぎるグループ」の2つに分けたら、圧倒的に前者にカテゴライズされると自覚しています。



逆に、後者のグループにいる人にとって、『人間失格』の世界観は何の共感も湧かないのではないか、とも思います。本書を読んで、「意味不明」だったのなら、それは心が社会に適応できている証拠
(だからやっぱり、学校教育がこんなに『人間失格』を推薦する理由が気になるけど、論点じゃないので…。)



そんな【元こじらせ女子】の私から【こじらせ男子を愛しちゃった現役女子】のあなたにアドバイスさせて頂くのなら、


“こじれたい”だけ、“こじらせて”おけば、いいじゃない


(だってメンヘラだもの。)


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拗らせ男子、~いつも、心に西野カナを~――――――――――――――――――――――――



逆に、【こじらせ男子】に一つだけお願いしたいことは、西野カナさんのマインドを持ってほしいということ。


『これか~ら~も、どうぞよろしくね♪』

『こんな私だけど~、笑って許して♪♪』


ほしかったら、西野カナさん風の”謙虚さと小悪魔のバランス”を心掛けて、取り扱ってくれている女性をリスペクトしましょう。(甘味も忘れずにね♡)


ということで、

「いつも、心に西野カナを」

この言葉を今は亡き太宰先生葉蔵、彼らに耽溺していた嘗ての私、そして全国の【現役こじらせ男子】に捧げます♡


最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。




執筆 よだかえ

https://ameblo.jp/dokushisoukannsoubun37/


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