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愛ってなんなんだ。

私を捉えて離さないものは、たぶん恋ではない。
きっと愛でもないだろう。
私の抱えている執着の正体が、いったいなんなのかわからない。

愛がなんだ  角田光代

今回は角田光代さんの
「愛がなんだ」
で出会った素敵な言葉を紹介します。

この物語は、主人公テルちゃんとその想い人マモちゃんの話だ。
マモちゃんと出会い、世界が一変したテルちゃんは、
どんどんすべてを失っていく。
友達も職も自分という存在も失ってくのだ。
これは、わかる人すごく共感できる物語だ。
ちなみに私は、共感の嵐だった。

マモちゃんと会って、それまで単一色だった私の世界はきれいに二分した。
「好きである」と「どうでもいい」とに。

愛がなんだ  角田光代

この現象あるあるだ。
好きを優先しようとすると、本当に予定をすぐ変更する。
先とか後に約束したとか関係ない。
求めてくれればいつだって飛んで行く。
それが、自分がしたいことになっていく。
冷静に考えると、おそろしいのだが、
それがその時の生きがいなのだ。
あの時の自分を思い出すと怖い。
まともな世界に戻れてよかった(笑)

ひょうっとしたら私は余命が幾ばくもなく、
だから神様が特別に夢を見せてくれているのではないかと、
本気で心配になるくらい、
最近のマモちゃんとの関係はうまくいっていた。

愛がなんだ  角田光代

こういう好きになりかたをしてしまうと、
上手くいってる時でも不安が常に付きまとう
次の瞬間に終わりを告げられるのではないか。
本命になれる試験中で、ミスをしてはいけない。
この反応、この返しで合ってる?と。
痛いほどにわかってしまう自分が怖い。

これは、一種の病気だ。
この病にかかったら人の話は聞かない。
その人とは、けっして結ばれることはないのだ。
そのことを長い間かけて、
その人と離れて、自分で理解するしかないのだ。
薬はない。
あえて言うなら、時間。
そして、自分と向き合う心だ。
自分のことを一番好きであれと、自分に言い聞かせるのだ。

あなたのこころの刺さった言葉はなんですか?
ぜひ教えてください。

Written by なおこ
アラフォー女


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