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不動産鑑定士試験に合格するための勉強時間は?(不動産鑑定士試験と不動産鑑定士への道のり)[4/5]


不動産鑑定士試験合格に必要な勉強時間の目安

不動産鑑定士試験に合格するためには、2000〜4000時間、勉強する必要があります。
個人差があるため、2000〜4000時間と幅が生じています。これだけ幅があると参考にし辛いと思いますので、どのような要因が勉強時間を長く/短くするのか解説していきます。

不動産鑑定士試験合格に必要な勉強時間の個人差について

勉強時間にあまり影響しない要因

鑑定理論の勉強は、他の資格試験などとも重複がないので、必要最低限の勉強時間が人によって大きく差が開くことはありません。
しかし、鑑定理論は不動産鑑定士試験の肝である科目ですので、どれくらい徹底的にやり込むかが、合否には影響してきます。

また、論文試験の会計学自体も、勉強時間という観点からは影響があまりありません。なぜなら、短答式試験直後からでも頑張れば間に合う科目であり、やろうと思えば短期集中で解決できる科目だからです。

勉強時間に影響する要因

先程、鑑定理論と会計学の勉強時間に個人差は少ないということを述べました。つまり、それ以外の科目は勉強時間に個人差が生まれやすいです。
つまり、短答式試験なら行政法規、論文式試験なら民法、経済学は勉強時間に個人差が出てきます。

例えば、民法の「対抗」について、何を意味しているかわかりますか?
普通の人は意味不明だと思います。しかし、大学で法律系の学部に行っていた人や、宅建試験の勉強をしたことがある人には分かる話です。
要するに、今まで勉強したことがあるのか、ゼロからスタートなのかで勉強時間が変わってきます。
※鑑定理論はみんなゼロからスタートということ。

行政法規:
宅建などの法令上の制限などを勉強したことがある人は、似たような話です。ただし、宅建よりも相当細かく聞かれるので、宅建とはレベルが全く違います。

民法:
こちらも宅建などで勉強したことがある人は、話が入りやすいかと思います。民法特有の表現に慣れるのには時間がかかるため、アドバンテージとなります。

経済学:
経済を勉強したことがある人、というのは少ないかもしれません。しかし、文系受験者が多い不動産鑑定士試験において、高校数学(微分や数列)に抵抗がない理系の人などは、基本的な数学を学ぶ必要がなく、若干のアドバンテージとなります。


結論:不動産鑑定士試験の勉強時間の目安

個人差があり、その要因についてお話してきました。結論として、次のような勉強時間のイメージをするのが良いでしょう。
もちろん、この時間勉強すれば合格できるという訳ではありません。ご自身が不動産鑑定士試験の受験勉強をする際の計画の参考として考えていただければと思います。

不動産鑑定士試験合格に必要な勉強時間の目安

短答式試験と論文式試験の勉強時間の目安

短答式試験に●時間、論文式試験に●時間の勉強時間が必要ですと言うことは出来ません。
なぜなら、短答式試験までは短答の勉強、短答式試験から論文式試験までは論文の勉強というように分けることは難しく、短答式試験の前であっても論文式試験の勉強はしないといけません。
また、鑑定理論については「論文式試験の勉強を軸として普段は勉強し、スキマ時間や直前期に短答式試験の勉強をする」というのが主流です。

しかし、短答式試験から論文式試験まで約70日しかないことを考え、この期間に1日10時間で合計700時間勉強すると仮定すれば、短答式試験までに1300〜3300時間ほど勉強しておく必要があるということになります。

論文式試験を捨て、短答式試験の合格を目指す場合の勉強時間の目安

もし、論文式試験を次年以降に回すとして、短答式試験だけを合格したいんだという場合には、「不動産に関する行政法規」の勉強に300時間以上、「不動産の鑑定評価に関する理論」に500時間以上の勉強時間を想定しておくのが妥当でしょう。

各科目の勉強時間

これといった勉強時間を示せない、と言いながら、示してくれないと参考にできないと思いますので、各科目の勉強時間の配分の参考として提示します。

勉強時間の合計時間が3000時間となるように配分を作成してみました。

各科目に必要な勉強時間の配分の目安(3000時間の場合)

勉強時間が全てではないことを念頭に置こう

ここまで、いろいろな観点から勉強時間の話をしてきました。
3000時間という時間が1つの指標になっていますが、あくまでこれは目安です。

3000時間勉強しても落ちる人はいます(というか落ちる人が大半です)。
もし、2年勉強すれば6000時間ですし、3年勉強すれば9000時間です。
中には5,6年頑張っても合格に届かない人もおり、10000時間勉強してもだめな可能性があります。

「3000時間勉強すれば受かる」ではなく、「3000時間勉強しないと戦う土俵にすら立てない」と捉えましょう。

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