住宅土地購入・敷地に対する考え方の要所②擁壁や高低差など

本テーマ①では、計画における土地の魅力の考え方の基本の話を書かせていただきました。

②では、現実的な問題に触れてみたいと思います。よくある話をいくつか注意点として書きます。特に土地を新たに購入しようとされている方は参考にしていただけるといいのではないかと思いますが、建て替えやすでに所有の土地についても関係してくる話です。

■崖条例
恐らくどの地域にも都道府県による「崖条例」が存在してると思います。2mを超える敷地の高低差がある場合の規制となってます。道路や隣地との高低差が2m以上ある場合、建物や擁壁等に対して規制がかかります。すぐ裏が山とか、高い擁壁が絡んでいるとか、様々なシチュエーションがあるため、その土地にどのような規制がかかるのか十分調べてから購入をオススメします。また、既に所有の土地でも、そういった状況の土地であれば、思わぬ落とし穴があるかもしれないので既存の建物を取り壊す前に、十分調べて、どのような計画なら間違いないか確認をオススメします。
いざ建てようと建築確認を進めていたらOKが出ない、配置を大幅に変更や、鉄筋コンクリートじゃないと無理とか、擁壁を全部やり替えとか、大打撃を食らう可能性があります。怪しい土地はお近くの建築士に相談した方が身のためです。

■擁壁
崖条例にかからなくとも、擁壁(敷地の高低差部分のコンクリート等の壁状のもの)等がある土地の場合は要注意です。特に、コンクリートブロックを擁壁にしていたりすると話にならない場合もありますので、いざ建物を建てようとしたら擁壁を全部やり替えないと確認が下りない等も十分ありえます。(実際に経験あります)土地を購入する前に役所と相談して、よくわからない場合は建築士に相談して問題点をクリアにしてから購入してください。見た目はブロックでも、擁壁に使えるものもありますので全部が全部アウトというわけではないですが、経験上、ただのブロックでやってるところが多いです。また、OKな擁壁でも、既存であればその安全性を示す根拠が無い場合がほとんどですので、要注意です。

■ブロック塀等の境界工作物
ブロック塀倒壊による死亡事故がニュースになったのは何年前でしたでしょうか、その後、前述の擁壁も含め、ブロック塀等についても役所も厳しく指摘するようになっています。基本的には1.2mを超えるブロック塀には控え壁という補強壁が必要ですので、1.5mぐらいあって控え壁らしきものは無いな~などと思ったら、そこの補強工事からやらないといけなくなる可能性が高いです。補強工事しなくてよかったとしても、倒れて人にけがでもさせてしまったら大変ですので、そういった工作物にも注意が必要です。

■土砂災害警戒区域
山や急傾斜地が近かったらとにかく確認、都道府県の担当課に聞けば教えてくれます。不動産屋さんの重要事項にもあると思いますが、この区域は常に新たに指定されていくものなので、将来的にかかる可能性はあります。
重要なのは、「土砂災害”特別”警戒区域」に指定されてしまえば、木造だと再建築不能になったり、傾斜地から相当な距離を確保しなければならなくなったり、かなり厳しいことになります。再建築不能な土地、価値が著しく落ちますよね。売りたくても買い手が見つからない状況になる恐れがあります。

■ベタ基礎インナーガレージ
敷地と道路に高低差がある場合、基準となるGL(敷地高さ)の設定には十分気を付けて下さい→そんなのプロがうまくおさめるのが当然ではあるが・・・
某Youtuberさんの自邸では、道路から60cmぐらいしか後退距離の無いインナーガレージがあるのに高低差が30cmもあって車が入れられないということが実際に起きていました。
GLを下げるとか、ガレージ部分を下げて作るとか、やり方はいろいろありますが、土地の高低差はいろんなところに影響出てきますので、高低差があるような土地はそういうこともあるんだなと頭に入れておいてください。

■排水設備
下水道処理区域であれば配管が勾配的に本管に乗らないことは、よほど広大な敷地じゃない限り、通常の住宅地では無いとは思いますが、稀にあるのが、下水道の来ていない浄化槽の区域で、放流先がどこにもないということがあります。通常は道路の側溝等に放流するのがほとんどだと思いますが、事業用の建物なんかは道路管理者に放流をお断りされることがあります。(現に今、これどうすんだ状態で協議中です※国道)
住宅の場合は許されることがほとんどだとは思いますが。

まだまだ気を付ける点もあるかと思いますが、よくある点を列記してみました。

「山や傾斜地、高低差のある土地(崖)に気を付ける」
「擁壁のある土地に気を付ける」

この2点だけは特に頭に入れておくと吉です。


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