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(補足記事追加)連載エッセイ 「コロナ禍の下での文化芸術2020」 1.5章 「コロナ公演中止から復帰するオーケストラの試み〜関西フィルの検証実験」


(補足記事追加)

連載エッセイ『コロナ禍の下での文化芸術』

1章「2月下旬の政府によるコロナ対策のイベント中止要請や、安倍総理による全国一斉学校休校の影響で中止・延期になった事例」
補足編


※前章まで

連載エッセイ
「コロナ禍の下での文化芸術2020」
プロローグ
https://note.com/doiyutaka/n/n7590305397f5


『コロナ禍の下での文化芸術〜日本における2020年2月以降の音楽活動自粛を中心に』
1章
「2月下旬の政府によるコロナ対策のイベント中止要請や、安倍総理による全国一斉学校休校の影響で中止・延期になった事例」
https://note.com/doiyutaka/n/n3a715c4a552a

(続き)
https://note.com/doiyutaka/n/ne88b2c2f3a89
【合唱でのコロナ感染例について】
【ライブハウスでの感染例について】



1.5章

「コロナ公演中止から復帰するオーケストラの試み〜 関西フィルの検証実験」

(以下、補足追加記事)

6月6日のNHKニュースで、本稿に紹介した関西フィルのソーシャルディスタンス実験と演奏会予告が報じられた。

同時に、ウィーンフィルの演奏会再開の様子も、映像付きで報じられた。


※ウィーンフィル本拠地のムジークフェライン。見たところ、ステージの椅子の配置は普段通りだ。

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※バレンボイムの指揮、ベートーヴェンの交響曲第5番。演奏者の配置も、指揮者との位置関係も、普段通りに見える。

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※一方、客席は前後左右に間隔を開けてある。

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※観客は100人限定

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※一方の関西フィル、検証の結果、楽器同士の感覚をこのように取ることに

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※ソーシャルディスタンス状態のオケ配置。とても間隔が広い。

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このように、関西フィルは演奏実験の結果、楽器相互に距離を置いて演奏会を実施することになった。しかし、一見してわかるように、これだけ間隔を開けると、大編成の曲はまず不可能だ。

客席の人数も、前後左右に間隔を開けるため絞り込まれる。演奏会の収益は大赤字になるだろう。

その一方、ウィーンフィルの演奏会では、客席の間隔を開けていたが、ステージ上は「密」なように見える。もちろん、ウィーンフィルは、ドイツを中心に行われたコロナウィルスの飛沫実験の結果を取り入れて、その上で通常に近い配置でも大丈夫だと判断したのだろう。

ならば、日本のオケも、ステージ配置は通常どうりで大丈夫なのではないのか?という疑問がわく。コロナ感染のリスクが、楽器演奏でどのくらいあるものか、もっと科学的な検証と追試が必要なのではなかろうか?機械的に日本政府や自治体が定めた基準を適用する必要は、実はないのかもしれないからだ。

(追加記事、ここまで)

※追記

第1章の記事中に紹介した、ドイツにおける楽器演奏者のコロナ感染可能性の検証、公式声明文が出ていた。

https://note.com/fukudayosuke/n/nd9be5dd9812a

全訳転記「新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務に対する共同声明」〔翻訳:西南学院大学神学部教授 須藤伊知郎〕



以下、既出の記事


※楽団ブログより引用

https://kansaiphil.jp/kansaiphil_news/12890/

《舞台上につきましても、奏者間のソーシャルディスタンスを確保するため、小編成で演奏可能なプログラムに変更させていただきました。
当楽団としても初の試みとなりますので、先日演奏の検証を行いました。
練習場であるチェリーホールに集まったのは、約2ヶ月ぶりの事です。
これだけの長期間アンサンブルをしなかったのは、恐らく楽器を手にしてから初めての事でしょう…。
写真のように、管楽器以外の奏者はマスクを着用し、奏者間の距離を十分に空けた上で検証を行いました。
小編成…6型の弦楽器編成です。
これだけの距離を取って演奏する事は、恐らく多くの奏者にとっては初めての事だと思われます。
演奏者同士、意見交換を交えながら検証が進みました。
短時間の検証でしたが、有意義なものとなりました。
フルオーケストラと同じ響きを得る事は難しいものの、演奏可能であると判断いたしました。
限られた条件で最良の演奏をお届けするため、
お客様に再び「生の音楽」を感じていただくための今回の決断…どうかご理解いただければ幸いです。》


※楽団広報資料より引用

《関西フィル第311回定期演奏会 開催についてのお知らせ
本年2月28日第307回定期演奏会を最後に中止していた、主催演奏会を再開させて頂きます。
2020年6月27日(土)ザ・シンフォニーホールで開催を予定しております「関西フィル第311回定期演奏会(特別協賛:ダイキン工業株式会社/協賛:阪急電鉄株式会社)/14:00開演」は、新型コロナウイルス感染症拡大を巡る状況に鑑み、開催可否を探っておりました。楽団は5月29日に練習場で試奏を行い、演奏に問題がない事を確認しました。感染予防対策を講じた上で、一部プログラムを変更して開催いたします。変更後のプログラムは次のとおりです。

【第311回定期演奏会/演奏曲目】
※指揮の鈴木優人氏は変更ございません。
・モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K.527
・モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201
・シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D485
※販売済チケットや友の会会員で大阪府のホール収容ガイドライン人数を満たしたため、チケットの事前販売・当日券販売はありません。(ザ・シンフォニーホール1704席中/700名様の入場を予定)

【新型コロナウイルス/お客様への対策】
1 ソーシャルディスタンスを確保できる席配置に致します。同一席種内でお手持ちの指定席券とは異なる席へのご移動を依頼します。当日入場時、こちらで指定した新たな指定席券と交換の上、ご入場。お客様の間隔を1席以上確保致します。
2 入場時には体温チェックを致します。37.5度以上の方はご入場不可に致します。
3 開演前、休憩時間の際は、極力会話を避けるようご協力をアナウンスします。
4 プログラム等の手渡しはせず、会場内に置いている冊子を各自お持ち頂きます。
5 チケットはご自身で切り所定のボックスに入れて頂きます。
6 スタッフは全員マスクを着用、お客様には手指消毒、マスク未着用のご入場はお断りします。
7 飲食物の販売は休止し、クロークやプレイガイド(キオスク)は閉鎖致します。
8 「ブラボー」等の掛け声は禁止し、楽章間での咳払いも、極力控えて頂きます。

5月29日、関西フィル練習場にて、ソーシャルディスタンス実験演奏を行いました!
本番は、この形で演奏します。

【新型コロナウイルス/舞台への対策】
1 全出演者・スタッフの体調チェックは万全を期します。(検温、体調管理等)
2 演奏者の間隔を拡げます。また、奏者は可能な限りマスクを装着いたします。※上の写真参照
3 管楽器の唾(水分)は使い捨ての給水の良い紙等で処理します。
4 空気清浄・除菌機の導入にてホール内の換気を強化しています。

◆本件に関する取材やお問い合わせ◆
公益財団法人 関西フィルハーモニー管弦楽団  企画広報室 広報担当:森本真吾
TEL:06-6577-1381 FAX:06-6577-1383  E-mail  s.morimoto@kansaiphil.jp  》




上記のこの演奏会、実のところ、関西フィルの演奏会が復活するという嬉しい知らせであると同時に、上記ソーシャルディスタンス実験を経た実演の開催であるという意味で、大きな社会的意義をもつ演奏会だといえる。
そもそも、日本ではコロナ危機に際して、政府の要請により大型イベントの中止がバタバタと決まってしまった。そこには、はたしてどういう条件で、どういう活動が行われたらコロナ感染の可能性が高まるのか、科学的エビデンスはないに等しく、ただただ、緊急だという空気で決まっていった。
前章で筆者が紹介したように、日本のオーケストラやクラシック、オペラなどの公演のコロナ対応は、バラバラに判断され、最終的には緊急事態宣言が出される直前、3月下旬までコンサートは行われていた。
だが4月以降、ドイツではオーケストラの楽器によるコロナ感染の可能性を検証する実験も行われていたのに、日本ではその動きがほとんどなく、ただひたすらに緊急事態宣言後もイベント禁止のまま、耐久を強いられてきた。
それはプロだけではなく、アマチュア団体、特に学校のバンドなども一斉にステージが中止に追い込まれていった。本来なら、3月4月の時期、学校バンドの演奏会が多数、開催されている。けれど、3月からの全国一斉休校要請ののち、学校バンドは相次いで公演中止になっていく。その判断に、文科省なり学校独自なりの感染可能性検証を行った形跡はない。つまり、科学的根拠の希薄なまま、ただ休校だから、イベント中止だからというだけの、一種の空気の圧力で、年に一度の演奏会なども次々中止になってしまったのだ。
こういう展開で過ぎてしまったこととはいえ、今後同じように感染症が上陸した場合、あるいはコロナ第二波に備えて、どういう場合に音楽のステージを中止すべきなのか、十分な検証が行われるべきだ。
そうでないと、これから、感染症が流行すると音楽が自動的に禁止されるという前例ができてしまうことになる。もし楽器演奏でコロナ感染の可能性が高くないのなら、無理にコンサートを中止せず、無観客・配信による開催をもっと広く実施できたのかもしれない。
今回、関西フィルがステージでの演奏をソーシャルディスタンス実験したことは、感染可能性の検証が不十分な日本の音楽界にあって、貴重な実践例といえる。今後、他の団も追随して検証を重ねてほしい。


また、この演奏会が要注目なのは、ソーシャルディスタンスをとった配置でクラシックを演奏した場合の、音楽づくりの試みだからだ。
そのため、曲目を編成の大きいブラームスの交響曲から、シューベルトに変更している。
この点で、注目したいのは、ベルリンフィルの試みだ。

※サイトより引用


https://www.digitalconcerthall.com/ja/concert/53365

《新型コロナウィルスの蔓延により、ヨーロッパ・コンサートの開催は非現実的と予想されていましたが、内容を変更して急遽実現。会場は本来のテル・アヴィヴではなく、ベルリン・フィルハーモニー で無観客で行われました。キリル・ペトレンコの指揮のもと、ベルリン・フィルは最大15人の室内アンサンブル編成で演奏しています。プログラム前半は、「兄弟」を意味するペルトの《フラトレス》、死者への哀悼に満ちたバーバーの「弦楽のためのアダージョ」など、ヨーロッパ諸国への連帯を表明する内容です。また後半は、エルヴィン・シュタインによるマーラー「交響曲第4番」の室内アンサンブル版が演奏されています。
2020年5月1日
ヨーロッパ・コンサート (ベルリン)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
キリル・ペトレンコ
クリスティアーネ・カルク

ご挨拶 (2分)

スタンリー・ドッズ

アルヴォ・ペルト
《フラトレス》 (11分)

ジェルジ・リゲティ
弦楽合奏のための《ラミフィカシオン》 (8分)

サミュエル・バーバー
弦楽のためのアダージョ Op. 11 (8分)

無料映像
キリル・ペトレンコ(聞き手:オラフ・マニンガー) (7分)

グスタフ・マーラー
交響曲第4番ト長調 (エルヴィン・シュタインによる室内アンサンブル版) (54分)

クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)》


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この時の、マーラーの交響曲第4番を小編成で演奏した試みは、これからのオーケストラ音楽の1つの可能性に光を当てた、と言えるだろう。
上記の写真に見られるような、そこまで極端なソーシャルディスタンスではないとはいえ、今回の関西フィルの距離を空けた楽器配置も、これまでとは違うオーケストラの響きを生み出すことだろう。

日本の他のオケでも、公演再開へ向けて様々な試みを行っている。


※日本センチュリー交響楽団

https://www.century-orchestra.jp/topics/haydn-kaisai/

《2020年5月30日お知らせ
「ハイドンマラソンHM.19」6月20日(土)公演開催のお知らせ(延期日程)
この度の新型コロナウイルス感染症の影響による度重なる公演中止や延期のお知らせではお客様に大変ご迷惑、ご心配をおかけしましたこと改めてお詫び申し上げます。
さて、日本センチュリー交響楽団は、5月25日の政府の緊急事態宣言解除を受け、「ハイドンマラソンHM.19」の公演開催の可能性を探ってまいりましたが、大阪府が発表するイベント参加人数の上限(6月18日まで屋内100人以下)の基準を超えてしまうため6月12日の公演開催が困難となりました。
しかしながら、一日でも早くお客様に生の音楽をお届けしたい、との想いから参加人数の基準内で行える6月20日に日程を変更し公演を開催することにいたしました。
6月12日(金)19:00開演

【振替公演】 6月20日(土) 14:00開演

なお諸状況を鑑み、当初予定していた「ホルスト:吹奏楽のための第1組曲」の演奏は行わないことにいたしました。何卒ご了承くださいませ。
振替公演ではお客様同士の距離を確保するため、新たに座席の左右隣を1席ずつ空けて配席いたします。すでにチケットをご購入いただいているお客様には新たなお席に振替させていただきます。(ご購入済みのお客様には別途ご案内をお送りしております。)
これにより、一時的に当該公演のチケット販売を停止しております。再販売の開始は6月2日(火)10時を予定しております。何卒ご了承くださいませ。
皆様に安心して公演を楽しんでいただけますよう、実施における感染防止対策につきましては会場のザ・シンフォニーホール様と検討・調整を進めております。決まり次第、ホームページで発表させていただきます。》



このように、オーケストラの公演を復活するに当たり、問題点は多数ある。なによりも、編成の大きな楽曲を演奏することが難しい、という点だ。どんなにステージ上の面積が広くても、やはりロマン派の大人数の編成は、ソーシャルディスタンスを確保したら難しいだろう。
また、たとえ小編成であっても、奏者が距離を空けて配置された演奏は、会場の音響が良ければいいが、音響のデッドなホールでは、はたしてうまくハーモニーが作れるのかどうか? もしかしたら、ポップス系のバンドのようにマイクで音を拾ってミキサー作業を介して、PAを介した演奏を考える方が合理的な場合もあるだろう。オーケストラ音楽は、生音、というのが何より魅力なのだが、奏者同士の距離を空けた状態でうまく演奏効果が得られない場合は、PAに頼るのもやむを得ない、と考え方を転換しなければならないかもしれない。
実際のところ、どうなるのか?実演を聴きにいって、さらに考察を進めようと思う。

(この稿、終わり)


連載更新!

『コロナ禍の下での文化芸術』
2章 「リモート演奏が突如、絶対的な決まりになった日 〜 21世紀に盛んになった〈モノ消費ではなくコト消費へ〉という流れがコロナ渦でかき消された」
その1「2020年6月以降の国内クラシック界の現状と今後」

https://note.com/doiyutaka/n/nb068a99bee06




※参考
【緊急提言】
「楽器演奏のエアロゾル飛散検証実験、実は管楽器演奏はコロナ感染の危険は少ない?」
https://note.com/doiyutaka/n/n3d36dadd4136


※追記
第1章の記事中に紹介した、ドイツにおける楽器演奏者のコロナ感染可能性の検証、公式声明文が出ていたので、以下、引用掲載する。

https://note.com/fukudayosuke/n/nd9be5dd9812a

全訳転記
「新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務に対する共同声明」
〔翻訳:西南学院大学神学部教授 須藤伊知郎〕

本文
https://epidemiologie.charite.de/fileadmin/user_upload/microsites/m_cc01/epidemiologie/downloads/Stellungnahme_Spielbetrieb_Orchester.pdf


※福田洋介氏のノート記事から引用しました
https://note.com/fukudayosuke
作編曲・指揮/東邦音楽大学特任准教授/http://fukudayosuke.jimdo.com

※全訳より引用
《声明発表者による注意事項■
この共同声明はオーケストラ演奏と楽団員たちの安全に関するものであり、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務を可能とするためのものである。
聴衆に関する規則と推奨は別の場所で続けられねばならない。
我々の推奨措置を実施する際には、場合によって今後の疫学的展開ならびに新たな研究結果が考慮されるべきである。》

《目標設定■
最新の科学的な知見および評価と楽団員および楽器専門家の経験に基づいて、我々はドイツにおけるオーケストラ興行の再開を可能とする、一般的な衛生・行動措置、オーケストラの配置そして楽器固有の観点に対する推奨を策定した。
楽器固有の推奨は特に木管および金管吹奏者の楽団員グループに焦点を当てている。
なぜならその者たちの場合にエーロゾル産出と飛沫の形成が演奏活動と結びついており、通常の社会的接触を超えて潜在的に高められた感染リスクが考慮されなければならないからである。》


《吹奏楽器によって危険に陥る特別な可能性◆
吹奏楽器の場合、演奏の際にエーロゾル、外気温に依存して結露、また唾による飛沫形成が生じる可能性がある。
これらの液体は、楽団員が症状を示していないとしても、新型コロナウイルス陽性である場合、潜在的に感染力を持っている可能性がある。
そこで、演奏の最中そしてその後の結果として、場合によってはどれくらい高まった感染リスクが生じるのか、そしてどのような措置が適切にこのリスクを軽減させることができるのか、が評価されなければならない。》

《新型コロナウイルス感染の検査■
演奏興行再開前にすべての無症状のオーケストラ団員に新型コロナウイルス感染〔COVID-19〕検査を規則として順番に受けさせることは、必要ない。
現状の実験室の検査は、症状のない人の場合、その感染のしやすさ(感受性Sensitivität)に関してウイルス陽性の人を見分けること、そしてその正確さ(真陰性率Spezifität)に関して新型コロナウイルス感染〔COVID-19〕の人を他のウイルスを粘膜に持っている人から区別することが、未だ完全に確実で完成したものにはなっておらず、その結果人口において全体として感染の頻度が低い場合、検査を受けた人の一定数が感染しているにもかかわらず陰性となり、そして同じように、検査を受けた人の一定数が健康でウイルスに感染していないにもかかわらず陽性となってしまう。
諸々の検査はこれまでのところ、結果が正しい100%の確実さにはなっておらず、確実さのためには複数回の検査が必要である。》

以上



※参考ブログ

定点記録・コロナ危機の前後の大阪

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12600448409.html

この連載を書くにあたり、コロナ危機の前と最中、そして直近の大阪の街を、記録しておきたい。
2020年、まだコロナ感染の危機が、対岸の火事だと思われていた時点では、大阪の町は、2020年東京五輪に合わせた観光景気に沸いていた。

(1)大阪の地下鉄駅、巨大スクリーンが実験稼働し、今後のインバウンド観光客にも大阪の魅力をアピールするはずだった

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(2)2020年3月
全国一斉休校が始まり、イベント中止も広がっていた3月中旬、大阪の町はまだ、自粛とは裏腹に、人出はさほど減っていなかった。

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(3)2020年4月
緊急事態宣言が出た後、大阪の町は人出は激減した。表通りだけでなく、商店街も閑散としていた。

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(4)2020年5月29日

緊急事態が解除されて数日、それでも大阪の町は、まだ警戒感が強く、人出は戻っていない。

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